世界の名ボクサー:フリオ・セサール・チャベス⑤「メヒコの英雄」

世界三階級制覇王者。安定の世界王座防衛戦。ビクター・メイブルス戦、安京徳戦、ジュン・デュプレシス戦、トミー・スモール戦、ロニー・スミス戦を紹介します。

フリオ・セサール・チャベス(メキシコ)
身長171cm:オーソドックス(右構え)

①フリオ・セサール・チャベス 3R KO ビクター・メイブルス
(ウェルター級戦、1990年)
(ダウンシーン)
3R:左フック、左ボディで2度、メイブルスがダウン
(感想:WBC・IBF世界J・ウェルター級王者チャベスがノンタイトル戦(チャベスはまるでスパーリングするかのようにノンタイトル戦をよく行う。余程勝つ自信があるのだろう)。メイブルスは名前が複数ある謎の選手。TV映像では「ビクター・メイブルス」、「ボクシングマガジン90年10月号」には「ビクター・ゲーブル」、「BOXREC」には「ラッセル・モズリー」とある。「BOXREC」によると「モズリー」はテキサスの選手でこのところ連敗中。特筆すべき実績は見当たらない。チャベスの地元クリアカンでの一戦(リング上には「滑り止め」として大鋸屑(おがくず)がまかれ、フカフカしていた。また、気のせいかもしれないが、リングが少し小さい(狭い)ように見えた)。互いにジャブ。気が強そうな顔と戦いぶりのメイブルス。ワンツー、右フック。チャベスはそんなメイブルスの攻撃をブロック、そして得意の右ストレート、左ボディ打ち。3R、チャベスの右ストレートがヒット。左フックでメイブルスがダウン。立ったが、左ボディで二度目。今度は立てず、10カウント。チャベスが「複数の名を持つ男」をKO。身体全体のパワーに差があった。その後、「モズリー」はタイガー・アリ、ウィルフレド・バスケスに敗北するなど負けが多い。)

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