世界の名ボクサー:ボビー・チェズ①「貴重な白人重量級選手」

世界二階級制覇王者。デビュー当初の試合。ハンク・ウィットモア戦、ブルース・ストラウス戦、テディ・マン戦、オスカー・ショットガン・アルバラード戦ほかを紹介します。

ボビー・チェズ(アメリカ)
身長178cm:オーソドックス(右構え)

①ボビー・チェズ 1R TKO ハンク・ウィットモア
(ミドル級戦、1980年)
(ダウンシーン)
1R:左フックでウィットモアがダウン
(感想:ニュージャージー州オレンジ出身の白人チェズ(Bobby Czyz。「Czyz」と書いて「チェズ」と読む(読めますか?))。IBF世界L・ヘビー級王座、WBA世界クルーザー級王座獲得の二冠王。イタリア系とポーランド系の血を引く男。IQが高く、「メンサ」の会員でもあるとか。子供の頃からスポーツが得意で、6歳でボクシングを始める。アマチュアで活躍。しかし、九死に一生を得る出来事。1980年3月14日、米国アマチュア・ボクシング・チームの選手らが乗った旅客機が墜落。乗員乗客87人全員死亡。チェズもチームのメンバーとして飛行機に乗る予定だったが、交通事故で鼻を骨折したためこの機には乗っていなかった。そして、ウィットモアと注目のプロデビュー(重量級は黒人選手が強いことから白人のチェズに期待するファンが多かった)。どんな動きを見せるか? ウィットモアはニューヨーク・ブルックリンの黒人。勝ったことがない(?)謎の四回戦ボクサー。ニュージャージー州トトワでの一戦。モミアゲのチェズ。黒地のトランクスに「B」「C」。セコンドにルー・デュバが付く。ゴング。足を使ってジャブを打つウィットモアをチェズが追う。左フックにパワーと巧さがあるチェズ。右フックからの左ボディ打ちといったコンビネーション。左フックが効いたウィットモア。ロープ際での左フックでダウン。立ったが、右フックを打たれて腰が落ちたところでレフェリーストップ。チェズが快勝。白人選手にありがちなパワー&タフネスに頼る戦法ではなくコンビネーションで勝利。当てる器用さもあった。一方、ジャブぐらいしか出せなかったウィットモア。見た目は強そうな雰囲気だったが。)

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