世界の名ボクサー:アーチー・ムーア③ラスト「”老マングース” と呼ばれたKO魔」

世界ライトヘビー級王者。世界王座防衛戦&二度目の世界ヘビー級王座挑戦。ヨランデ・ポンペイ戦、フロイド・パターソン戦、イボン・デュレル戦(初戦・再戦)を紹介します。

アーチー・ムーア(アメリカ)
身長180cm:オーソドックス(右構え)

①アーチー・ムーア 10R TKO ヨランデ・ポンペイ
(世界ライトヘビー級タイトル戦、1956年)
(ダウンシーン)
10R:右ストレート、右ストレート、ワンツーで3度、ポンペイがダウン
(感想:ムーアがタイトル防衛。マルシアノ戦後、ノンタイトル戦が続いたムーア。世界ライトヘビー級王座の五度目の防衛戦。挑戦者ポンペイはトリニダード・トバゴの黒人。デビューから連勝後、トリニダード・トバゴ王座(ライトヘビー級)獲得、防衛。英国を主戦場に移して連勝。判定で初黒星。シカゴ遠征で判定負け、二敗目。その後はイボン・デュレル(後、ムーアに挑戦)に勝利するなど連勝。そして、この初の世界挑戦。ロンドン・ハリンゲイでの一戦。共にガッチリした体型。相手を警戒しながら距離を取るポンペイ。ブロック、ジャブ。ムーアはダッキングしながらジャブ、右ストレート。互いにスピードはそこそこ。理由はわからないが、レフェリーがムーアに何かを注意(ムーアもよくわかっていない様子だった)。そして、左フックでポンペイがピンチ。その後、ポンペイが伸びのある右ストレート、器用に右アッパー、左ボディ。この試合のムーアはディフェンシブで受け身。しかし、パワフルな右ストレート、左右フック攻撃でポンペイを追い込む。時折右ストレートを当てるポンペイだが、10Rに右ストレートでダウン。さらに二度ダウンを追加。よく立ったが、コーナーに追い込まれてレフェリーストップ。受け身だったが、ムーアが最後はパワフルな攻め。格の差があったか。ポンペイはタフだったが、スピード不足だった印象。その後、ポンペイはディック・タイガー(後、世界ミドル、ライトヘビー級二階級制覇)に敗北するなど勝ったり負けたりだった。)

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