世界の名ボクサー:モハメド・アリ⑤「ザ・グレーテスト」

世界ヘビー級王者。世界王座を目指すカムバックロード。バスター・マシス戦、マック・フォスター戦、ジョージ・シュバロ戦(再戦)ほかを紹介します。

モハメド・アリ(アメリカ)
身長191cm:オーソドックス(右構え)

①モハメド・アリ 12R 判定 バスター・マシス
(北米ヘビー級タイトル戦、1971年)
(ダウンシーン)
11R:ワンツー、右フックで2度、マシスがダウン
12R:右フック連打、左フック連打で2度、マシスがダウン
(感想:アリがタイトル防衛。ジミー・エリスとの決定戦で北米王者になったアリ。実力者と初防衛戦(プロ34戦目)。挑戦者マシスはミシシッピ州出身の黒人。アマチュアで優秀だったが、負傷のため東京オリンピック(1964年)には出場ならず(代理で出場したジョー・フレージャーが金メダル獲得)。プロ入り後に(いつのことかは不明だが)ジョー・ルイスから指導を受けたことがあるとか。チャック・ウェップナーらを相手にデビューから全勝だったが、アマ時代に下しているフレージャーと空位のニューヨーク州公認世界ヘビー級王座を争い、KO負け。その後、ジョージ・シュバロらに連勝したが、ジェリー・クォーリーに判定負け。アリへの挑戦はクォーリーに負けた再起戦となる。テキサス州ヒューストン「アストロドーム」での一戦。アウトボクシングのアリ。軽いパンチが多い。マシスは前進。接近してフック攻撃。アリが軽いジャブ、ワンツー、インサイドからの右フック。手数、ディフェンスでポイント上、優勢。マシスは左ボディからの右フックといった良い武器を持っているが、単発。大きな振りのパンチをかわされる。11R、疲労が見えるマシスがワンツーでダウン。立ったが、ワンツーからの右フックで二度目のダウン(ゴングに救われた)。12R、軽く細かい右フック連打でマシスがダウン。立ったが、左フック連打で二度目。最終ラウンド終了。判定は3-0。アリが軽いパンチの積み重ねで勝利。パワーが感じられない試合ぶりだった。マシスは良いパンチを持っているが、流れるような攻撃ができない欠点。太る体質、それに伴うスタミナ不足もあるだろうが、そもそも攻撃のリズムが良くない。それがフレージャーにプロでは敵わなかった理由。その後、マシスは二試合。最後は危険な強打者ロン・ライルにKO負け。王座を獲得することなくリングを去った。引退後は身体の不調。1995年に心不全で死去(52歳)。息子もヘビー級ボクサーに(マイク・タイソンと対決したことも)。全米王者になったが、世界王者にはなれなかった。)

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