世界の名ボクサー:リディック・ボウ③「大柄な銀メダリスト」

統一世界ヘビー級王者。世界王者になる前の試合。ライバルと対戦。ロドルフォ・マリン戦、ブルース・セルドン戦、エライジャ・ティレリー戦(初戦・再戦)ほかを紹介します。

リディック・ボウ(アメリカ)
身長196cm:オーソドックス(右構え)

①リディック・ボウ 2R KO ロドルフォ・マリン
(ヘビー級戦、1991年)
(ダウンシーン)
2R:右アッパーでマリンがダウン
(感想:これまで全勝のボウ。世界ランクトップ10に入っており、強いところをファンにアピールしなければならない。プロ24戦目の相手マリン(27歳。WBC20位)はプエルトリコの選手。大柄で身長は198cmもある。デビューから連勝だったが、タイレル・ビッグスに判定負け、初黒星。ボウ戦はその再起戦となる。ビッグスに勝っているボウからすればマリンは「格下」ということになるが、どんな試合となるか? ラスベガス「ミラージュ」での一戦(「マイク・タイソン vs. ドノバン・ラドック」の再戦が行われた興行のアンダーカード)。屋外リングでの試合で、この試合の時点ではまだ外は明るい(「真昼の決闘」といったイメージ)。ゴング前、両者リング中央へ。険しい表情のマリン。ゴング。プエルトリカンらしく足でリズムを取るマリン。重そうなジャブ、パワーを込めて右ストレート。しかしながら、ボウが早くも優勢。早いジャブ、伸びる右ストレート、相手のジャブをヘッドスリップ。2R、互いに連打。ボウはコンビネーション、マリンは闇雲にボディ連打。左右フックからの右アッパーでマリンがダウン。立てず、KO。ボウがハンドスピード、ディフェンスで快勝。マリンはゴツいパンチの持ち主で肩を使ってディフェンスするテクニックも持っていたが、パンチのキレで及ばなかった。その後もフランク・ブルーノ、ドノバン・ラドックらに敗北。世界レベルの実力者には敵わなかった。)

ここから先は

2,863字
この記事のみ ¥ 100

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?