世界の名ボクサー:レイ・マンシーニ③ラスト「ボクシングの歴史を変えた男」

WBA世界ライト級王者。消耗が激しい激戦&その後。リビングストン・ブランブル戦(初戦・再戦)、ヘクター・カマチョ戦、グレグ・ホーゲン戦を紹介します。

レイ・マンシーニ(アメリカ)
身長164cm:オーソドックス(右構え)

①リビングストン・ブランブル 14R TKO レイ・マンシーニ
(WBA世界ライト級タイトル戦、1984年)
(感想:ブランブルがタイトル獲得。激しい攻めで王座を守り続けるマンシーニが五度目の防衛戦(84年6月)。挑戦者ブランブルはカリブ海のセントクリストファー・ネイビス連邦出身の黒人。スラリとしたボクサータイプ。アマチュアからプロへ。負けと引き分けが一つずつ。それ以外はキレイに白星を並べてきた。ニューヨーク・バッファロー「メモリアル・オーディトリアム」での一戦(レフェリーはマーチン・デンキン)。共に23歳。マンシーニは黒、ブランブルは金色トランクス。ブランブルのセコンドには名参謀ルー・デュバが付く。ゴング。マンシーニがいつものようにジャブとフックで前進。ブランブルはマンシーニのガードの隙を突く回転の速いフック、アッパー。さらにサウスポーにスイッチしたり、腕をぐるぐる回してマンシーニを挑発したり。次第に後退するシーンが見られるようになっていくマンシーニ。14R、乱打を浴びてレフェリーストップ。ブランブルが快勝。相手をよく研究してリングに上がったのだと思われる。マンシーニの「休むことなく前進してフックを叩きつける戦い方」はとても疲れる(勢いで押し切る戦法)。12R制だったらスタミナが続いて微妙な判定になっていたかもしれないが、この当時の世界戦は15ラウンド。14Rに捕まってしまった。しかも、この試合でマンシーニは目を酷く負傷。)

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