世界の名ボクサー:モハメド・アリ⑧「ザ・グレーテスト」

世界ヘビー級王者。強敵との世界王座防衛戦。ロン・ライル戦、ジョー・バグナー戦(再戦)、ジョー・フレージャー戦(第三戦)、ジャン・ピエール・クープマン戦を紹介します。

モハメド・アリ(アメリカ)
身長191cm:オーソドックス(右構え)

①モハメド・アリ 11R TKO ロン・ライル
(世界ヘビー級タイトル戦、1975年)
(感想:アリがタイトル防衛。ジョージ・フォアマンから王座を奪回したアリが2度目の防衛戦。挑戦者ライルはオハイオ州デイトン出身のワケありな黒人ファイター。父の仕事の都合でコロラド州デンバーに引っ越し。そこでギャングと関わり、殺人罪で収監。刑務所でも殺されかけて重傷を負うなど酷い人生。体を鍛え、出所後、アマチュアのリングへ(北米大会で優勝したことも)。30歳の時、プロデビュー(本来なら刑期はもっと長く、ボクサーになれなかった。仮釈放、恩赦のおかげ)。以来、連戦連勝でバスター・マシスにも勝利したが、ジェリー・クォーリーに初黒星。その後、勝ち続け、元WBA王者ジミー・エリスに勝つなどこれまで30勝(21KO)2敗1分。世界初挑戦。ただ、直前の試合でジミー・ヤングに判定負けしている。ラスベガス「コンベンション・センター」での一戦。年齢は同じ33歳。左のガードを下げてジャブを打つライル。アリもジャブ。ライルのフック攻撃を持て余すアリが例のフットワーク&ジャブ。ジャブの交換、もみ合いの展開。11R、右ストレートでグラついたライル。アリが一気にラッシュ。ライルがコーナーで連打されたところでレフェリーストップ。アリが辛うじて勝利(キャリア後半のアリはこの試合のようにジャブとクリンチでしのごうとする試合が多かった)。ライルのパンチが手打ち気味だったのに助けられた印象。その後のライル。アリに敗れた再起戦でアーニー・シェイバースをKO。しかし、前世界王者ジョージ・フォアマンとの北米ヘビー級王座決定戦でKO負け。その後もリングに上がり続けて中堅どころを相手に強いところを見せたが、新鋭ゲーリー・クーニーに1RでKO負け。タイトルとは無縁のキャリアだった。)

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