世界の名ボクサー:マイケル・スピンクス④「スラム街出身の二冠王」

世界L・ヘビー級、ヘビー級王者。統一王座の防衛戦。オスカル・リバデネイラ戦、エディ・デービス戦、デビッド・シアーズ戦、ジム・マクドナルド戦を紹介します。

マイケル・スピンクス(アメリカ)
身長188cm:オーソドックス(右構え)

①マイケル・スピンクス 10R TKO オスカル・リバデネイラ
(WBA・WBC・IBF世界L・ヘビー級タイトル戦、1983年)
(ダウンシーン)
10R:左フック、右アッパーで2度、リバデネイラがダウン
(感想:スピンクスがタイトル防衛。WBC王者ドワイト・ブラクストンを破ってL・ヘビー級王座を統一したスピンクス。その後、新興団体IBFから「世界L・ヘビー級王者」に認定され、三団体王者に(1983年6月1日)。リバデネイラ戦は三つの王座を懸けた初防衛戦。挑戦者リバデネイラはペルーの選手で、これまで無敗。ペルーを主戦場に戦い、WBC米大陸王座(L・ヘビー級)を獲得、防衛。このところアメリカで連勝中。ただ、直前の試合はローブローで無効試合に終わっている。カナダ・バンクーバーでの一戦。なかなかパワフルなリバデネイラ。速いジャブを打ち、思い切った右ストレート、左フック。スピンクスは例によってディフェンスするが、右を食ってたじろぐシーンも。しかしながら、スピンクスはディフェンスが巧く、コブシが驚異的に頑丈。力強いリバデネイラの攻撃をかわして、長いジャブ、右ストレート。左目が腫れていくリバデネイラ。10R、強烈な左フックでリバデネイラがダウン。よく立ったが、今度は右アッパーで二度目。それでも立ち上がったが、セコンドからタオル投入、TKO。スピンクスが快勝。テクニックがあるだけではなく、思いっ切りパンチを叩き込み続けるコブシの強さと非情さ。L・ヘビーには敵はいない、と言ってもよいレベルだった。リバデネイラは強かったがこの後、ブランクがち。最後の試合はWBC米大陸王座(ヘビー級)への挑戦で、KO負けだった。)

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