世界の名ボクサー:ブルース・セルドン③ラスト「パワーで勝負する筋肉マン」

WBA世界ヘビー級王者。ついに初の世界挑戦。そして、大物と防衛戦。グレグ・ペイジ戦、トニー・タッカー戦、ジョー・ヒップ戦、マイク・タイソン戦を紹介します。

ブルース・セルドン(アメリカ)
身長187cm:オーソドックス(右構え)

①ブルース・セルドン 9R TKO グレグ・ペイジ
(IBFインターコンチネンタル・ヘビー級タイトル戦、1993年)
(ダウンシーン)
9R:連打でペイジがダウン
(感想:セルドンがタイトル防衛。アレクサンドル・ポポフ(ロシア)を相手にIBFインターコンチネンタル王座の初防衛に成功したセルドン。その後、ノンタイトル戦で二連勝し、ペイジと二度目の防衛戦。ペイジ(ケンタッキー州ルイビル出身)は元WBA王者。「天才」だが「気まぐれ」「練習嫌い」という評判。世界王者になったが、初防衛戦でトニー・タッブスに判定負け(1985年)。それから時間が経ち、全盛を過ぎているのは間違いないが、タッブスに負けたセルドンとしては油断ならないところ。プエルトリコ・バヤモンでの一戦。ゴング前、両者リング中央へ。相手に背を向けるペイジ(態度がよろしくない感じ。どういうアピールなのだろうか?)。試合では定評のあるジャブ、右ストレート。しかしながら、スタミナ切れ。ジャブでアウトボクシングをしているときはいいが、接近戦になるとクリンチ。セルドンはジャブにパワー、接近して左右フック。パンチの重さではセルドンだが、ペイジは微妙にパンチをかわすのが巧い。前に出るセルドン。ペイジはワンツーからの左フック、左ボディ打ちに巧さがあるが、もみ合うシーンが多い。9R、右フックが効いたペイジ。連打でダウン。立ったが戦意喪失状態でレフェリーストップ。セルドンがジャブ、攻める姿勢で勝利。残念だったペイジ。右ストレート、左フックにはスピード、当てる巧さがあったが、スタミナが続かず。アメリカのヘビー級選手は全盛を過ぎてもリングに上がることが多いが、「打ってはクリンチ」の試合は正直なところ観ている方が疲れる。引退できない経済状態にあるのだろうが、あまりそういう試合は観たくないものである。この試合でペイジは引退。1996年、カムバック。中堅選手を相手に連戦連勝。そして2001年、デール・クロウにKO負けし、その後遺症に悩まされる日々。2009年に死去。自宅療養中の事故が直接の原因だったという。)

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