世界の名ボクサー:ソニー・リストン①「”大熊”と呼ばれた強打の悪役」

世界ヘビー級王者。リストンのプロフィール、ウェイン・ベセア戦、バート・ホワイトハースト戦(再戦)、クリーブランド・ウィリアムス戦(初戦)ほかを紹介します。

ソニー・リストン(アメリカ)
身長185cm:オーソドックス(右構え)

①刑務所出身
伝説のハードパンチャーで「ビッグベアー(大熊)」と呼ばれたソニー・リストン。身体の大きさだけではなく、顔もド迫力であることからそう呼ばれるようになったとか(身長は185cmでそれほど大型ではないが、リーチが何と213cmもある)。刑務所出身、見た目の厳つさから「ワル」のイメージがあるが、自分と似たような境遇にある者や妻を大切にする優しい男だったという。アーカンソー州出身。本名「チャールズ・リストン」。生年月日「1932年5月8日(ということになっているが、正確なものかどうかは不明)」。貧しい農家の出で、虐待されて育ったらしい。教育を受けなかったため、文字が書けなかったという。当然のように犯罪の道へ(「逮捕歴19回」とのこと)。強盗などで服役中にボクシングを始める。出所後、アマチュアを少し経験してプロへ。その強打で快勝を続けるが、周囲にはギャングなどの怪しい人物が(「一体誰がリストンをマネージしているのだろう?」という疑問が彼には常に付きまとっていた)。1954年、マーティ・マーシャルに初黒星。しかも、アゴを骨折。ここからさらに強くなり、連戦連勝で初の世界挑戦。しかしながら、その途中トラブルも。1956年のマーティ・マーシャル戦から1958年のビリー・ハンター戦までブランクがあるが、それは警官とトラブルになってケガをさせて懲役刑を科せられたことによるもの。

ここから先は

2,787字
この記事のみ ¥ 100
期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?