世界の名ボクサー:レノックス・ルイス⑤「英国の必殺右パンチ」

統一世界ヘビー級王者。世界王座防衛戦&まさかの初黒星。フランク・ブルーノ戦、フィル・ジャクソン戦、オリバー・マッコール戦(初戦)、ライオネル・バトラー戦ほかを紹介します。

レノックス・ルイス(イギリス)
身長196cm:オーソドックス(右構え)

①レノックス・ルイス 7R TKO フランク・ブルーノ
(WBC世界ヘビー級タイトル戦、1993年)
(感想:ルイスがタイトル防衛。これが二度目の防衛戦となるルイス。かつて英国にはゲイリー・メイソンという黒人強打者がいたが、ルイスはメイソンを撃破。もう一人のライバルであるブルーノも始末して「英国ナンバーワン」になりたいところ。挑戦者ブルーノ(WBC5位)はマイク・タイソンとの世界戦で有名な筋肉マン。タイソン戦で目を痛めてしまったが、肉体改造で丸っこい身体付きに。英国での人気はルイスを上回る。器用さが増した印象もあるが、三度目の世界挑戦のチャンスをモノにできるかどうか? ウェールズのカーディフで行われた新旧の英国黒人対決(史上初の英国人同士の世界ヘビー級タイトルマッチだそうだ)。ジャブを連打する両者。そして右を狙う。踏み込んで得意の右ストレートを打ち込むルイス。ブルーノは接近して右ストレート、左フック。2R、クリンチ中に両者ラビットパンチ(先にやったのはブルーノ)。レフェリーが警告。3R、右ストレートでルイスがピンチ。クリンチでしのぐが左ボディ打ちで攻められる。器用なブルーノ。ルイス得意の右を巧くディフェンス。インターバル中、ルイス陣営はルイスを毛布でくるむ(試合が行われたのは10月だったが、異常に寒かったらしい)。その後もブルーノが右フックを振るうなどで前進。ルイスは相手に合わせるかのような戦いぶりでジャブで中心。左目が腫れていくブルーノ。7Rに攻めるが、逆に左フックを食らってピンチ。連打するルイスだが、相手を押さえて攻撃してレフェリーから警告。最後はルイス得意の右がヒットしたところでレフェリーストップ。ルイスが強打で勝利。押されるシーンもあったが、相手の動きがよく見えていたようだ。ブルーノは残念。どうしても勝ちたかったのだろうが、この試合でも荒っぽいラビットパンチ連発。個人的には反則をしてまで勝とうとする者には勝ってほしくないが、それほど必死だったのだろう。その後、ブルーノは意外な形で四度目の世界挑戦のチャンスを得る。)

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