世界の名ボクサー:レノックス・ルイス⑥「英国の必殺右パンチ」

統一世界ヘビー級王者。注目のライバル戦&世界王座返り咲き。トミー・モリソン戦、レイ・マーサー戦、オリバー・マッコール戦(再戦)、ヘンリー・アキンワンデ戦ほかを紹介します。

レノックス・ルイス(イギリス)
身長196cm:オーソドックス(右構え)

①レノックス・ルイス 6R TKO トミー・モリソン
(IBCヘビー級タイトル戦、1995年)
(ダウンシーン)
2R:左フックでモリソンがダウン
5R:右アッパーでモリソンがダウン
6R:右フック、左フックで2度、モリソンがダウン
(感想:ルイスがタイトル獲得。オリバー・マッコールにまさかのKO負けで王座を失ったルイス(30歳)。これが再起三戦目。「IBC」なる団体の王座を懸けて26歳のモリソンと元世界王者対決。モリソンはかつて「白人ホープ」と呼ばれた男。あの俳優ジョン・ウェインの甥というウワサ、映画『ロッキー5/最後のドラマ』に出演、といったことでも話題に。ボクサーとしてはレイ・マーサーにはKOされたが、ジョージ・フォアマンを判定で下してWBO王座獲得。しかし、1RでのKO負けで王座から陥落するなど脆さもある。アトランチックシティでの一戦。左手をやや前に出す構えからジャブを多く出すルイス(セコンドに「クロンクジム」のエマヌエル・スチュワード)。そして、得意の右ストレート。左フックからの右ストレートといったコンビネーションも使い、ディフェンスもできている。モリソンはブロック、ダッキングしながらジャブで前へ。右フックを振るうがゴツい筋肉のせいなのか、動きが重い。2R、(オープンブロー気味の)左フックでモリソンがダウン。4R、モリソンが得意の「右ボディからの右アッパー」。しかしながら、試合はルイスが優勢。ジャブ、右カウンター、ディフェンスでモリソンを寄せ付けない。5R、右ボディからの右アッパーでモリソンがダウン。6Rには二度のダウン。立ったが右目の腫れもあり、レフェリー(ミルズ・レーン)は試合を止めた。ルイスがジャブを中心とした攻めで勝利。モリソンは歴戦のダメージがあるのか機敏さに欠けた。そして結果的にこの試合はモリソンの事実上のラストファイトとなった。)

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