世界の名ボクサー:レノックス・ルイス⑧ラスト「英国の必殺右パンチ」

統一世界ヘビー級王者。世界王者のまま引退。デビッド・トゥア戦、ハシーム・ラクマン戦(初戦・再戦)、マイク・タイソン戦、ビタリ・クリチコ戦を紹介します。

レノックス・ルイス(イギリス)
身長196cm:オーソドックス(右構え)

①レノックス・ルイス 12R 判定 デビッド・トゥア
(WBC・IBF世界ヘビー級タイトル戦、2000年)
(感想:ルイスがタイトル防衛。王座を守り続けるルイス(これまで37勝(29KO)1敗1分、35歳)。次の挑戦者は危険な男。サモア出身のトゥアはバルセロナ・オリンピックではヘビー級で銅メダル獲得。プロでは連戦連勝で後のWBA王者ジョン・ルイスを1RでKOしてWBCインターナショナル・ヘビー級王座獲得(1996年)。しかし、ナイジェリアのアイク・イベアブチに判定で敗れ、初黒星。その後はハシーム・ラクマンを破って全米王座を獲得するなど連勝。そしてこの初の世界挑戦。マイク・タイソンのような激しいインファイトでルイスを倒すことができるかどうか? ラスベガスでの一戦。トゥアがドリフのコントみたいな個性的な髪型(爆発頭)でリングイン。ゴング。体を左右に振りながらジャブ、左フックで前に出るトゥア。ルイスは左のガードを下げた姿勢からジャブ、そして得意の右ストレートでトゥアの前進を食い止めようとする。攻めようとするトゥアだが、体格差、ルイスのフットワークとジャブに遮られて上手く攻められない。そのパターンで12R終了。判定は大差の3-0。トゥアは左フックを決めたシーンもあったが(2R、6Rほか)、ルイスの「当てさせないボクシング」に完敗。当たれば凄いトゥアのパンチだが、それが当たらないためリングサイドもあまり盛り上がっていない感じだった。今回のルイスは「世界ヘビー級王者」としてはイマイチな試合ぶり。単に勝つだけではなく、力強く防衛するのが世界ヘビー級王者の役目。5Rに見せたような左ボディ攻撃をもっと見せて欲しかったところ。その後のトゥア。クリス・バードとの大事な試合に敗北。北米王座獲得、元世界王者マイケル・モーラーを30秒でKO、WBOのアジア王座を獲得といった活躍を見せたが、意外なことに世界再挑戦ならず。結局、ルイス戦が唯一の世界挑戦となり、世界王者にはなれなかった。)

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