世界の名ボクサー:ルペ・ピントール②「アステカの戦士」

WBC世界バンタム級、J・フェザー級王者。世界バンタム級王座防衛戦。村田英次郎戦、ジョニー・オーエン戦、アルバート・ダビラ戦、ホセ・ウシガ戦を紹介します。

ルペ・ピントール(メキシコ)
身長163cm:オーソドックス(右構え)

①ルペ・ピントール 15R 引分 村田英次郎
(WBC世界バンタム級タイトル戦、1980年)
(感想:ピントールがタイトル防衛。ピントールの二度目の防衛戦は日本(日本武道館)で。名王者カルロス・サラテから王座を奪ったピントール。「サラテに負けていたのに王者になった」という厳しい評価。ノンタイトル戦ではダウンを食った末にTKO負け。初防衛には成功したが、この試合はどのような内容となるか?   挑戦者の村田は京都出身(どことなく上品な顔)。お兄さんもボクサー、ではなくバンドマン(村田勝美さん。ジャニーズ事務所に所属していたこともあるとか)。アマチュアで活躍したが、1976年のモントリオール・オリンピックには出場ならず。プロデビュー後は連戦連勝。東洋太平洋バンタム級王座を獲得し、防衛にも成功(日本王座に挑戦したことはない)。これまで16勝(10KO)1分。「アジア代表」としてこれまで41勝(34KO)5敗の王者ピントールに挑戦。1Rから右ストレートを決める村田。ピントールはガードを上げて、ジャブ、右ストレート。互いに左フックを狙う。伸びるジャブ、ストレートを打つピントール。村田は連打。互いに譲らず、判定はドロー。パンチの伸びと当てる器用さではピントール。村田は右ストレートと左フックが良かったが、ディフェンスされるシーンが多かった。引退後にピントールは「村田戦が最もキツかった」と振り返っている(もっとキツかった試合は他にもあると思うが)。村田はその後、WBA王者ジェフ・チャンドラーに焦点を絞ったが、勝てず。アジアの実力者としてキャリアを終えた。)

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