世界の名ボクサー:オスカー・デラ・ホーヤ⑤「本物のゴールデン・ボーイ」

世界六階級制覇王者。ライト級王座防衛戦&大物との決戦。ジェシー・ジェームズ・レイハ戦、フリオ・セサール・チャベス戦(初戦)、ミゲル・ゴンザレス戦ほかを紹介します。

オスカー・デラ・ホーヤ(アメリカ)
身長179cm:オーソドックス(右構え)

①オスカー・デラ・ホーヤ 2R TKO ジェシー・ジェームズ・レイハ
(WBO世界ライト級タイトル戦、1995年)
(ダウンシーン)
2R:左フックで2度、レイハがダウン
(感想:デラ・ホーヤがタイトル防衛。これまで19戦全勝(17KO)のデラ・ホーヤ。プロ20戦目は六度目の防衛戦(95年最後の試合)。WBO4位の挑戦者レイハはテキサス州サンアントニオ出身のファイター。父親はかつてプロボクサーだったが、レイハ自身はスポーツにはあまり関心が無かった。そのため、他の選手に比べるとボクシングを始めたのは比較的遅い。アマチュアを経てプロへ。アズマー・ネルソンからWBC世界J・ライト級王座奪取(1994年)。しかし、初防衛戦でガブリエル・ルエラスに敗れ、王座陥落。階級を上げて「ゴールデン・ボーイ」デラ・ホーヤに挑戦。ニューヨーク「マジソン・スクエア・ガーデン」での一戦。ゴング前、デラ・ホーヤはナーバスな表情(かつては笑顔でリングインすることもあったが、対戦相手のレベルが上がるにつれてそうもいかなくなってきたのだろう)。レイハがいつものようにジャブ、連打(やや細かいボクシング)。デラ・ホーヤはジャブ、左フックからの右ストレートなど回転の速い連打。2R、左フックでレイハが二度ダウン。立ったが、レイハのセコンドが棄権を申し入れてTKO。デラ・ホーヤが速い連打と懐の深さで快勝(ゴング前とは違って、勝利後はとびっきりの笑顔。これもおなじみの光景)。ねちっこさには定評のあるレイハを簡単に粉砕。「選手としてのスケール」に違いがあった。レイハはその後もリングに上がり続け、名のある選手とも対戦したが世界王座にカムバックできず。王者であった時期は短かったが、ネルソンとの連戦が印象に残る選手である。)

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