世界の名ボクサー:ジュリアン・ジャクソン⑤ラスト「カリブ海の強打者 ”ザ・ホーク”」

世界J・ミドル、ミドル級王者。キャリア終盤。アゴスティノ・アルダモネ戦、クインシー・テーラー戦、テリー・フォード戦、バーノン・フィリップス戦ほかを紹介します。

ジュリアン・ジャクソン(アメリカ領ヴァージン諸島)
身長182cm:オーソドックス(右構え)

①ジュリアン・ジャクソン 2R TKO アゴスティノ・アルダモネ
(WBC世界ミドル級王座決定戦、1995年)
(ダウンシーン)
2R:右フックでアルダモネがダウン
(感想:ジャクソンがタイトル奪回。ジェラルド・マクラレンに1RでKOされてWBC王座を取り戻すことができなかったジャクソン。マクラレンが王座を返上し、空位に(階級を上げてナイジェル・ベンのWBC世界スーパーミドル級王座に挑戦するためマクラレンは王座を返上。これが命取りとなった)。その王座決定戦。アルダモネはイタリアの白人サウスポー。これまで全勝で、イタリア王座、欧州王座(いずれもミドル級)を獲得、防衛。満を持しての世界挑戦、といったところ。マサチューセッツ州ウースターでの一戦。1R、アルダモネが右ジャブ、左ストレート。ジャクソンはかつてのようにまずは慎重に相手の戦力をチェック。そして右ストレート、左フック、右ボディ打ち。アルダモネがラッシュし、ジャクソンはディフェンス。2R、それまでと同じような雰囲気の中、ジャクソンが右フック。ディフェンスの隙を突かれて思いっ切り打たれたアルダモネ。ダウンから立ったが、フラついてレフェリーストップ。全盛期と比べるとさすがに鋭さが落ちていたジャクソンだが、パワーは健在だった。アルダモネは悪くはないが、普通のサウスポー。世界レベルの相手との経験が不足していたようだ。その後、アルダモネは欧州王座を奪回したり、WBU王座(ミドル級)を獲得したり。「地域の実力者」的なキャリアとなった。)

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