世界の名ボクサー:マイク・タイソン⑨「強打の鉄人」

世界ヘビー級王者。世界王座陥落からの復帰。ヘンリー・ティルマン戦、アレックス・スチュワート戦、ドノバン・ラドック戦(初戦・再戦)、その後を紹介します。

マイク・タイソン(アメリカ)
身長178cm:オーソドックス(右構え)

①マイク・タイソン 1R KO ヘンリー・ティルマン
(ヘビー級戦、1990年)
(ダウンシーン)
1R:右フックでティルマンがダウン
(感想:東京ドームでバスター・ダグラスに負けたタイソン。これが復帰戦。トレーナーとしてリッチー・ジャケッティ(ラリー・ホームズ、マイケル・ドークス、アーロン・プライアーらを指導)が参加。ティルマンはロサンゼルス出身。スポーツは得意だったが、ボクシングを始めたのは事件に巻き込まれて刑務所に入ってから。余程才能があったようで、アマチュアで勝ち進み(タイソンに判定勝ち。しかも、二度)、ロサンゼルス・オリンピックではヘビー級で金メダル。プロデビュー後、全勝で北米クルーザー級王者に。しかし、その王座をバート・クーパーに奪われ、イベンダー・ホリフィールドのWBA世界J・ヘビー級王座(「J・ヘビー級」とはクルーザー級のこと。WBAは当時、その階級をそう名付けていた)に挑戦した試合ではKO負け。ホリフィールド戦後は連敗を喫するなどピークを過ぎた印象。ラスベガス「シーザース・パレス」での因縁の再戦(この興行は「犬猿の仲」であるドン・キングとボブ・アラムによる共同プロモート。「ジョージ・フォアマン vs. アディルソン・ロドリゲス」が同じ興行で行われた)。ゴング前、下を向いて悲愴な表情のティルマン。下がりながらジャブとクリンチ。タイソンはジャブと左フック。そしてタイソンの右フックが「ガツン」。ティルマンが酷い倒れ方をして、KO。タイソンがワンパンチKO勝ち(腕力に頼った打ち方だったのが少し気になる)。アマチュア時代にタイソンにテクニックで勝った(勝たせてもらった?)こともあるティルマン。パワーを競い合う「プロ」では惨敗。その後のティルマン。中堅どころを相手に試合。引退後は事件を起こして刑務所へ。クーパー、ホリフィールド、タイソンにエラい目に遭わされた後遺症も気になるところ。)

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