世界の名ボクサー:マックス・ベア①「女性に人気だった明るいキャラ」

世界ヘビー級王者。大恐慌時代の人気者。ベアについて、プロキャリア初期、マックス・シュメリング戦、プリモ・カルネラ戦(世界王座戦)を紹介します。

マックス・ベア(アメリカ)
身長189cm:オーソドックス(右構え)

①「マックス・ベア」とは?
大恐慌の暗い時代に現れ、明るいキャラで人気者になったベア。弟バディもヘビー級選手の「ボクシング兄弟」(バディは世界ヘビー級王者ジョー・ルイスに二度挑戦したが、世界王者にはなれず。「弟思い」のマックス。会場で弟の試合を観戦すると熱くなりすぎるため、周囲から観戦に行かないよう忠告されたこともあったとか)。ベアは腕っぷしで勝負するヘビー級では異例の個性派。いわゆる「色男」で女好き。女性に人気があったが、特別ハンサムだったわけではない。試合中や計量の時におどけたりして相手を困惑させるのがパターン。茶目っ気があるタイプで、それがファンに大ウケ。あのジャック・デンプシーもベアのことが気に入ったようで、交流があった(一緒に談笑している映像も残っている)。本名は「マクシミリアン・アデルベルト・ベア」(長い)。1909年2月11日、ネブラスカ州オマハ生まれ。その後、ベア一家はカリフォルニア州に移住。そこで牛の屠殺の仕事に就いた。ベアによると「その仕事によって筋肉質な身体、広い肩、右強打が生み出された」という。映像で観るベアの体格は実に個性的。横幅のあるガッチリした身体。身長は189cmだが、リーチは206cmもある。ボクサーになったキッカケは、20歳の時にケンカで相手をKOしたこと、とある。その腕力を生かそうとボクサーを目指すベア。マネージャーを見つけるために工場に就職。工場所有者の息子J・ハミルトン・ロリマーと出会い、マネージャーになってもらった。そして、プロデビュー(1929年5月16日)。天性の素質で連勝。しかし、テクニック的には荒削りだったようで、相手を持ち上げてキャンバスに投げつけたため失格負けになったことも。

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