世界の名ボクサー:シュガー・レイ・ロビンソン③「史上最強の拳聖」

世界ウェルター級、ミドル級王者。ミドル級王座防衛戦。ランディ・ターピン戦(初戦・再戦)、ボボ・オルソン戦(再戦)、ロッキー・グラジアノ戦を紹介します。

シュガー・レイ・ロビンソン(アメリカ)
身長180cm:オーソドックス(右構え)

①ランディ・ターピン 15R 判定 シュガー・レイ・ロビンソン
(世界ミドル級タイトル戦、1951年7月)
(感想:ターピンがタイトル獲得。ヨーロッパ遠征中の世界ミドル級王者ロビンソン。英国で防衛戦。(大量の荷物、美容師、雑用係といった「側近」と共に)ピンクのキャデラックで英国入り。挑戦者ターピンはリーミントン出身の英国人(兄弟もプロボクサー)。黒人と白人のハーフ(母の父はベアナックル時代のファイターだった)。幼い頃に父を亡くしたり、耳が不自由になる事故に遭ったりといった不運。アマチュアで活躍後、プロ入り。「リーミントン・リッカー」というニックネームを付けられたが、これは「自分よりも大きい相手をなめる(翻弄する)実力」があると評価されたのが由来。プライベートの問題(離婚、子供の親権をめぐる闘争)によりブランクを作ったこともあったが、復活。英国王座、欧州王座(いずれもミドル級)獲得。過去に敗北した相手(二人)にKOで雪辱。連勝中の勢いでロビンソンに挑戦。英国ケンジントンでの一戦。互いにジャブ。右ストレート、左フックにパワーを込めるターピン。右ストレートからの左ジャブといったテクニックも持っている。ロビンソンは左フック、右カウンターなどに巧さがあるが、パワーに欠けている印象。そのためターピンの接近を持て余してクリンチ。荒っぽいターピンはクリンチ中に相手を殴打。ロビンソンはそれに対抗し、レフェリーから両者に注意。その後も粗い攻めのターピン、テクニックで対応しようとするロビンソン、といったパターン。ただ、ターピンはジャブにも力強さ。15R終了。判定はPTS。ターピンが攻めの姿勢で勝利。正直なところあまり器用ではなかったが、荒っぽいパワー。ロビンソンは精彩を欠いた。しかも(映像ではよく見えなかったが)7Rに左マブタをカットしたそうだ。)

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