世界の名ボクサー:ラリー・ホームズ⑥「イーストンの暗殺者」

WBC・IBF世界ヘビー級王者。無惨な敗北&カムバック。マイケル・スピンクス戦(再戦)、マイク・タイソン戦、ティム・アンダーソン戦、レイ・マーサー戦ほかを紹介します。

ラリー・ホームズ(アメリカ)
身長191cm:オーソドックス(右構え)

①マイケル・スピンクス 15R 判定 ラリー・ホームズ
(IBF世界ヘビー級タイトル戦、1986年)
(感想:スピンクスがタイトル防衛。ロッキー・マルシアノの「49戦全勝、無敗で引退」の記録に並ぶ寸前でスピンクスに敗れたホームズ。加速できない試合ぶりで「最早限界」といったところか。しかしながら、スピンクス「(前回)ホームズにチャンスをもらったから再戦のチャンスを与えたい」ということでこのダイレクト・リマッチ。スピンクス29歳、ホームズは36歳。どんな内容となるか? 試合地は再びラスベガス(会場は前回とは別)。今回はゴング前から気合いが入っているホームズ。1R、速いジャブ、右ストレート。前回では出なかった右フックも振るい、攻める勢いがありすぎて相撲ばりにスピンクスを投げ飛ばす。そんなホームズの勢いに手が出せないスピンクス。前回のように「連打して打ち合いはしない作戦」が使えず。ブロックしながら小刻みなフットワークで打ち合いから逃げる姿は滑稽であり、格好悪い印象。左右フックでボディを攻めるホームズだが、終盤に失速。スピンクスが速いジャブ、連打。ホームズは打ち返すが、「ポイント的にジャッジがどう判断しているか?」と思うような競り合う攻防。14R、ホームズの右がヒット。15R終了。ホームズは微妙な表情。スピンクスは「勝った」と思っているかのような雰囲気。判定は2-1。またしてもホームズは勝てず。前回よりはパワフルだったが、終盤に挽回されたか。映像ではホームズが重いパンチで勝ったようにも見えたが。再戦にも勝利したスピンクスだが、ボクシング関係者はスピンクスの試合ぶりとパワー不足を指摘。そしてボクシングファンの興味は「スピンクスは次に誰と戦うのか?」が焦点に。敗れたホームズはこれで寂しく引退、と思われたが・・・。)

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