世界の名ボクサー:サルバドル・サンチェス③ラスト「永遠の王者」

WBC世界フェザー級王者。世界王座を懸けた伝説的名勝負。ウィルフレド・ゴメス戦、パット・カウデル戦、ロッキー・ガルシア戦、アズマー・ネルソン戦を紹介します。

サルバドル・サンチェス(メキシコ)
身長168cm:オーソドックス(右構え)

①サルバドル・サンチェス 8R TKO ウィルフレド・ゴメス
(WBC世界フェザー級タイトル戦、1981年)
(ダウンシーン)
1R:連打でゴメスがダウン
8R:連打でゴメスがダウン
(感想:サンチェスがタイトル防衛。六度目の防衛戦は「サンチェスの最高試合」と呼ばれることになった「伝説の一戦」。ダニー・ロペスとの再戦も制したサンチェス。大金を得られるようなビッグな対戦相手が欲しい状況。挑戦者ゴメスはこれまでの選手とは違う。プエルトリコの「KOキング」。一階級下のWBC世界J・フェザー級王者で、これまでの防衛戦は全てKO勝ち(結果的に17連続KO防衛)。「バズーカ」と形容されるパンチで、日本でも防衛に成功(vs. ロイヤル小林)。試合前の予想はややゴメス有利。「共に打たれ弱さがある」という指摘も(サンチェスは過去にダウンの経験はあるが、打たれ弱くはない)。ゴメスはサンチェス粉砕に自信。しかし、サンチェスもまた自信タップリで「大口叩くな」「ゴメスはフェザー級では通用しない」とコメントしたとか。ラスベガスで行われた試合(TV解説にラリー・ホームズ、会場ではジョー・フレージャー、WBA王者エウセビオ・ペドロサが観戦)。初回、サンチェスが速い連打。ゴメスは重そうなパンチを打つ。連打でゴメスがダウン。あのゴメスが足に来て、打たれっぱなしになる波瀾の幕開け。その後は、ゴメスが前に出て、サンチェスがカウンターを取る、というパターンの打ち合い。サンチェスも強打を喰うが、冷静な表情を保つ。顔の腫れが目立ってきたゴメスが8Rにロープ際で連打されてダウン。立ったがレフェリーは試合を止めた。サンチェスが圧勝したようなイメージで語られることもある試合だが、ゴメスの強打がヒットする危ない場面も。打たれ強さの差で勝負がついた印象。結果的にゴメスはこの試合がピーク。後、この王座(WBC世界フェザー級王座)を獲得するなど三階級制覇を達成するが、フェザー級、J・ライト級の王座初防衛戦で痛烈なKO負けで王座から転落した。)

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