世界の名ボクサー:ルペ・ピントール③「アステカの戦士」

WBC世界バンタム級、J・フェザー級王者。バンタム級王座防衛戦&ノンタイトル戦。ホビト・レンヒホ戦、ハリケーン照戦、李承勲戦、ホルヘ・ルハン戦を紹介します。

ルペ・ピントール(メキシコ)
身長163cm:オーソドックス(右構え)

①ルペ・ピントール 8R TKO ホビト・レンヒホ
(WBC世界バンタム級タイトル戦、1981年)
(ダウンシーン)
8R:左ジャブでレンヒホがダウン
(感想:ピントールがタイトル防衛。これまで41勝(33KO)4敗1分のピントール(26歳)が六度目の防衛戦。この時点で既にかなりの減量苦。WBA王者ジェフ・チャンドラーから統一戦をアピールされているが、それには応じない意向(結局、実現しなかった。残念)。挑戦者レンヒホ(28歳)はベネズエラの黒人で、28勝(15KO)2敗。1976年のモントリオール・オリンピックにバンタム級で出場(メダルは獲得ならず)。プロ入り後は連勝でベネズエラ王座(フライ級)を獲得したり、ファン・グスマン(具志堅用高にWBA世界J・フライ級王座を奪われた男)をKOしたり。全勝のままラファエル・オロノの WBC世界J・バンタム級王座に挑戦したが、TKO負け(初のベネズエラ人同士の世界戦)。再起戦でアルフォンソ・ロペス(元WBA世界フライ級王者。具志堅のWBA世界J・フライ級王座に挑戦してKO負け)に判定負け。その後、三連勝で二度目の世界チャレンジ。ラスベガスでの一戦。共にジャブ。レンヒホはシャープなワンツーを使い、右ストレートからの左ジャブといったテクニックも持っている。ピントールはいつものようにディフェンスしながらワンツー、左フック。接近戦。コンビネーションで攻めるピントールにレンヒホは速いパンチで応戦。しかし、次第にパワー、パンチの正確さに差が。5R、ピントールがレンヒホをロープ際に追い込んでワンツーからの左ボディ打ち。8R、左ジャブがクリーンヒットしてレンヒホがダウン。立ったが、レフェリーは試合ストップ。その処置に不満の表情を見せるレンヒホ。映像ではまだ続行できそうな感じに見えたが、レフェリーもまたプロ。ダメージが大きいと判断したのだろう。ピントールが安定の防衛。パンチがあるうえにディフェンスもできる。ピントールを倒せるのは「突破力」のある選手のみ。レンヒホはシャープだったが、どうやらベストウェートはフライ級。ピントールを倒すにはパワーが足りなかったようだ。その後、レンヒホはキコ・ベヒネス(後、世界挑戦)に敗北。三度目の世界挑戦は無し。地域の強豪にとどまった。)

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