世界の名ボクサー:ケン・ノートン④ラスト「アリのアゴを割った海兵隊員」

WBC世界ヘビー級王者。世界王座陥落後の厳しい試合。アーニー・シェイバース戦、スコット・ルドー戦、ランドール・コッブ戦、ゲーリー・クーニー戦ほかを紹介します。

ケン・ノートン(アメリカ)
身長191cm:オーソドックス(右構え)

①ケン・ノートン 3R KO ランディ・ステフェンス
(ヘビー級戦、1978年)
(ダウンシーン)
3R:左フックでステフェンスがダウン
(感想:これまで40勝(32KO)5敗のノートン。ラリー・ホームズに敗れた再起戦。ホームズ戦がかなりの激戦だったため、コンディションが気になるところ。ステフェンスはオハイオ州出身の黒人。キャリアが浅く、10勝(6KO)4敗。テキサス州王座を獲得しているが、ゲリー・コーツィー(後のWBA王者)には敗北。ラスベガス「シーザース・パレス」での一戦(ノートンはこれで四連続で「シーザース・パレス」での試合)。古い映像で観戦。顔つきがホームズに似ているステフェンス。ホームズを意識しているのか、フットワークを使いながらジャブ、そして右ストレート、左フック。ただ、ややパンチの打ち方が細かい。ノートンはいつものスタイル。左のガードを下げた構え、腕をクロスさせるアーチー・ムーア式ディフェンス。正確なジャブ、パワーを込めた左右フック。接近戦では互いにフック、ボディ打ち。1Rからノートンの左フックがヒットする。ワンツーからの左フックといった武器を持つステフェンスだがディフェンスのテクニックに差があり、打撃戦ではノートンのパンチがよく当たる。3R、左フックでステフェンスがフラつきながらダウン。10カウント内に立てず、KO。ノートンが左フックで圧勝。ただ、パワー、体格、ディフェンス、経験など二人には大きな差があった。ステフェンスはパンチにキレがあったが、ヘビー級で戦うにはパワー不足だった印象。ノートン戦後、二連敗。その後、連勝。クルーザー級に階級を下げてWBA王座に二度挑戦したが、いずれも勝てず。ローカルな存在にとどまった。)

ここから先は

3,595字
この記事のみ ¥ 100
期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?