世界の名ボクサー:ウィルフレド・ゴメス⑤「プエルトリコのKOキング」

世界三階級制覇王者。世界王座防衛戦&二階級制覇。ファン・アントニオ・ロペス戦(再戦)、ルペ・ピントール戦、エラディオ・サンタナ戦、ファン・ラポルテ戦を紹介します。

ウィルフレド・ゴメス(プエルトリコ)
身長165cm:オーソドックス(右構え)

①ウィルフレド・ゴメス 10R KO ファン・アントニオ・ロペス
(WBC世界J・フェザー級タイトル戦、1982年)
(ダウンシーン)
1R:右ストレートでロペスがダウン
10R:左ボディでロペスがダウン
(感想:ゴメスがタイトル防衛。これまで35勝(35KO)1敗1分のゴメス(「1敗」はサルバドル・サンチェス戦、「1分」はデビュー戦)。15度目の防衛戦。挑戦者ロペス(メキシコ。WBC4位、72勝(60KO)8敗)とは再戦になる。挑戦予定だったロベルト・ルバルディーニョが直前で体調不良。急遽、ロペスにチャンスが回ってきた。ロペスは前回のゴメス戦後、全勝。来日して吉田秀三をKOした星も。ラスベガス「シーザース・パレス」での一戦(大一番「ラリー・ホームズ vs. ゲーリー・クーニー」のアンダーカード。ヘビー級のトレバー・バービック、グレグ・ペイジ、アーニー・シェイバース、ジェームス・ティリス、ミッチ・グリーンらも参戦した興行。会場では俳優のビル・コスビー、マイケル・ランドン、マージョー・ゴートナー、クーニーの母(息子と顔が似ている)が観戦)。屋外リングでの試合で、外はまだ明るい。この試合のゴメスは動きが軽快(やはりこの選手はスピードが命。パワーはあっても動きが重いとパンチを食ってしまう)。フットワーク&ジャブ。ロペスは気合いが入っており、前進して左フックからの右ストレートを思い切って打っていく。しかし、右ストレートでダウン。これが完全に効いてしまったようで、以降は攻められると下がってしまう。ワンツー、左ボディで攻めるゴメス。ロペスはロープを背負いながら何とか反撃。8R、ホールドを離さないロペスにゴメスが右パンチ連打。10R、左ボディでロペスがダウン。片ヒザをキャンバスに着いたまま10カウントを聞いた。ゴメスが押しまくって勝利。ロペスは1Rの右パンチが最後まで効いていた。その後もリングに上がり続けたロペス。次第にピークを過ぎ、ヘクター・ロペスといった次の世代の選手に敗北を重ねるようになっていった。)

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