世界の名ボクサー:イベンダー・ホリフィールド④「真の支配者」

世界クルーザー級、ヘビー級王者。ヘビー級転向。ジェームス・ティリス戦、マイケル・ドークス戦、アレックス・スチュワート戦(初戦)ほかを紹介します。

イベンダー・ホリフィールド(アメリカ)
身長188cm:オーソドックス(右構え)

①イベンダー・ホリフィールド 6R TKO ジェームス・ティリス
(ヘビー級戦、1988年)
(感想:クルーザー級を完全制覇したホリフィールド。これまで18戦全勝(14KO)。世界クルーザー級王座を保持したままヘビー級に転向、ベテランとテストマッチ。ティリスはオクラホマ出身の黒人。元々はカウボーイで、体を鍛えるためボクシングを始めたらしい。アマチュアでは好成績を上げたが、後のWBA王者ジョン・テート、グレグ・ペイジには負けているという。プロ入りし、連戦連勝(キャリア初期に早い回でのKO勝ちが多かったため「クイック」と呼ばれるようになった)。スタイルはジャブを使うモハメド・アリみたいなタイプ(後ろ姿もキャリア晩年のアリに似ている)。しかし、マイク・ウィーバーのWBA王座への挑戦は判定負け(初黒星)。ヘビー級にしては迫力不足のアウトボクシングのため、名のある選手(ピンクロン・トーマス、グレグ・ペイジ、ティム・ウィザスプーン、マイク・タイソンら)には負けてきた。ネバダ州ステートラインでの一戦。ジャブ連打、左フックからの右ストレートがパワフルなホリフィールド。ティリスはジャブ。2R終了後にも打ち合って両陣営がエキサイト。その後も連打され続けるティリス。5R終了で棄権。ホリフィールドがパンチの正確さ(特に左ボディ打ち)で勝利。ただ、ダウンを奪えなかったように、「ヘビー級」というより「クルーザー級」といった感じの試合ぶり。スピードで勝った印象。ティリスはパワー不足。その後もゲイリー・メイソン、アディルソン・ロドリゲス、トミー・モリソンといった当時のホープ相手に負けまくった。それでもリングに上がり続けたティリス。余程ボクシングが好きだったのだろう。)

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