世界の名ボクサー:フロイド・パターソン①「ガゼルパンチの使い手」

世界ヘビー級王者。アマチュア戦&世界王者になる前の試合。クレイトン・ジョーンズ戦、ディック・ワグナー戦(初戦)、ジョーイ・マキシム戦ほかを紹介します。

フロイド・パターソン(アメリカ)
身長183cm:オーソドックス(右構え)

①フロイド・パターソン 1R KO クレイトン・ジョーンズ
(ニューヨーク・ゴールデングローブ決勝戦、1952年)
(ダウンシーン)
1R:左フックでジョーンズがダウン
(感想:「Gentleman(紳士)」と呼ばれた優等生パターソン。「ガゼルパンチ」(ダッキングして相手の懐に飛び込んでフックを打ち込む攻撃。「ガゼル」とは鹿に似た動物のこと)と呼ばれる必殺技の使い手。1935年1月4日生まれ。ノースカロライナ州の貧しい家庭出身(弟レイもプロのヘビー級ボクサーになったそうだ)。ニューヨークに移住したが、学校での成績は最悪。勧められ、14歳でボクシングを始める。ジョーンズ戦はアマ時代のもの。ジョーンズは記録に乏しく、どんな経歴の持ち主なのかは不明。ニューヨークでの一戦。アップライトなスタイルからジャブを出すジョーンズ。パターソンが踏み込んで左フック(ガゼルパンチ?)。まるで棒を飲んだかのように硬直した状態で倒れたジョーンズにレフェリーがカウントを取る(アマチュアなのにまるでプロのような扱い)。立てず、KO。パターソンが一発で勝利。何とも凄まじい左フックだった。その後、パターソンは1952年のヘルシンキ・オリンピックでミドル級金メダル(その大会を最後にアマチュアを卒業)。カス・ダマトと出会ったのはこの頃。ダマトがマネージャー兼トレーナーとなってニューヨークでプロデビュー。体重は軽めで、ライトヘビー級。)

ここから先は

2,561字
この記事のみ ¥ 100
期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?