世界の名ボクサー:フリオ・セサール・チャベス④「メヒコの英雄」

世界三階級制覇王者。三階級制覇達成の絶頂期。ロジャー・メイウェザー戦(再戦)、サミー・フエンテス戦、アルベルト・コルテス戦、メルドリック・テーラー戦(初戦)ほかを紹介します。

フリオ・セサール・チャベス(メキシコ)
身長171cm:オーソドックス(右構え)

①フリオ・セサール・チャベス 11R TKO ロジャー・メイウェザー
(WBC世界J・ウェルター級タイトル戦、1989年)
(感想:チャベスが三階級制覇。全勝のチャベスが三つ目の王座を狙ってメイウェザーと再戦。初戦では2RでKOされたメイウェザー。その後、フレディ・ペンデルトンにKOされたり、パーネル・ウィテカーと北米ライト級王座を争って判定負けしたり。レネ・アルレドンド(浜田剛史から王座奪回)を打ちのめしてWBC世界J・ウェルター級王座獲得。ビニー・パジェンサらを相手に四度の防衛に成功。チャベスに雪辱を誓う状況。カリフォルニア「グレート・ウェスタン・フォーラム」での一戦。初戦と同様、黒のトランクスのメイウェザー。チャベスは白(初戦では鮮やかなグリーンだった)。階級を上げたが、スピードがあるチャベス。素早くダッキングしながら前進。リズミカルにジャブ、パワーを込めた右ストレート、左フック。メイウェザーは全く初戦と同じ。足で距離を取りながら長いジャブ、ワンツーからの左フック。初戦と同じようにチャベスがメイウェザーを追い掛ける展開。2R、メイウェザーが左フックでピンチ。右カウンター、左フックダブル、ワンツーからの左フックで対応(パンチ自体は素晴らしいものがあるが)。その後もチャベスが右ストレート、左フック。メイウェザーは下がりながらの反撃のため、効果が薄め。しかもホールドやクリンチが目立ち、レフェリーから警告。6R、メイウェザーの右ストレートがヒット。しかし、チャベスは「効いていない」とばかりにおどけた動き(珍しい)。7R終了間際、激しく打ち合ってメイウェザーのセコンドがチャベスをブロック。8R、明らかに動きが鈍くなったメイウェザー。キズのドクターチェック。10R、メイウェザーが「フットワーク&ジャブ」。しかし、このラウンド終了後に棄権。中盤に胃を痛めたらしい。チャベスが王者を追いかけ回して勝利。「メキシコ人初の三階級制覇達成」だったそうだ。残念だったメイウェザー。この選手はやはり打たれ弱い。そのため思い切った勝負ができない。その後もメイウェザーは多くの試合。しかし、ラファエル・ピネダと空位のIBF世界J・ウェルター級王座を争ってKO負け。マイナー団体の世界王座は獲得できたが、メジャー王座への返り咲きはならず。引退後はトレーナーに転身。しかし、女性とのトラブル。最後は現役時代のダメージで58歳で死去。)

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