世界の名ボクサー:アズマー・ネルソン②「アフリカの野生児」

世界二階級制覇王者。WBC世界フェザー級王座防衛戦。フベナル・オルデネス戦、パット・カウデル戦、マルコス・ビジャサナ戦(初戦)ほかを紹介します。

アズマー・ネルソン(ガーナ)
身長165cm:オーソドックス(右構え)

①アズマー・ネルソン 5R KO フベナル・オルデネス
(WBC世界フェザー級タイトル戦、1985年)
(ダウンシーン)
5R:フック連打、右フックで2度、オルデネスがダウン
(感想:ネルソンがタイトル初防衛。84年の12月にウィルフレド・ゴメスをKOしてWBC王者になったネルソン。その後、間が空いて初防衛戦(85年初試合、9月。プロ22戦目)。挑戦者オルデネスはチリ人。地元でデビュー。チリ王座(フェザー級)を獲得するなど連勝だったが、マイアミでエクトール・コルテスに判定で初黒星(コルテスは世界王者になる前のネルソンに判定負け)。その後、また連勝。マイアミを主戦場とし、WBC米大陸王座(フェザー級)を獲得。防衛にも成功している。マイアミでの一戦。ボクサータイプのオルデネス。足で距離を取って速いジャブ、右ストレート。左ボディ打ち、突き上げるかのような左フックといった左のテクニックも使う。黄色をベースにしたトランクス(ガーナの国旗をイメージ)のネルソン。1Rは様子見。2Rから右ストレート、左右フックで攻撃。接近戦。左の使い方が巧いオルデネスだが、ネルソンのプレッシャーにやや押され気味。4R、ネルソンがパワー攻撃。ややぎこちなさはあるが、アッパー気味の左右フックが迫力。5R、アッパー気味の右フックからのフック連打でオルデネスがダウン。何とか立ったが、今度は右フックでダウン。座り込んだまま10カウントを聞いた。ネルソンが頑丈なコブシで圧勝。「ガツンガツン」といった感じで相手を粉砕した。オルデネスは決して弱くはなかった。王者がタフなネルソンでなかったら王座を獲れるだけの左の巧さがあった。その後、オルデネスは地元チリで試合。タイトル戦に敗れるなど世界戦はネルソン戦のみでキャリアを終えた。)

ここから先は

2,977字
この記事のみ ¥ 100
期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?