世界の名ボクサー:イベンダー・ホリフィールド⑤「真の支配者」

世界クルーザー級、ヘビー級王者。ついに世界ヘビー級王者に。ジェームス・ダグラス戦、ジョージ・フォアマン戦、ラリー・ホームズ戦、リディック・ボウ戦(初戦)ほかを紹介します。

イベンダー・ホリフィールド(アメリカ)
身長188cm:オーソドックス(右構え)

①イベンダー・ホリフィールド 3R KO ジェームス・ダグラス
(WBA・WBC・IBF世界ヘビー級タイトル戦、1990年)
(ダウンシーン)
3R:右ストレートでダグラスがダウン
(感想:ホリフィールドがタイトル獲得。かつて世界クルーザー級王座を統一したホリフィールド。本来ならばこれは凄いことではあるが、クルーザー級は正直なところ人気が無い。王座を返上し、ビッグマネーが得られるヘビー級へ。ジェームス・ティリス、ピンクロン・トーマス、マイケル・ドークス、アディルソン・ロドリゲス、アレックス・スチュワートといった実力者を葬り、いよいよ世界ヘビー級王座に挑戦。王者はマイク・タイソンではない。東京ドームでタイソンがダグラスにまさかのKO負け、王座陥落。ターゲット変更。タイソンを倒したダグラスに挑戦。王者ダグラスはオハイオ州コロンバス出身の黒人(「親子ボクサー」で、父ビル・ダグラスは「ダイナマイト」と呼ばれたミドル級の世界ランカーだった)。ジャブ、ストレートに良さがあるボクサータイプだが、油断すると太ってしまう体質。デビッド・ベイ、巨人マイク・ホワイト(「ホワイト」だが、黒人)、ジェシー・ファーガソンに敗北。トニー・タッカーと空位のIBF王座を争った試合では畳み掛ける攻撃で一気に敗北。その後、トレバー・バービックらを相手に連勝。タイソンにKO勝ち。ホリフィールドと初防衛戦。しかしながら、残念な出来事が。計量でダグラスは重い体重。速いジャブ、ストレートが武器のダグラスが絞れていない身体。それがどんな結果をもたらすか? ラスベガス「Mirage」で行われた一戦(キャッチフレーズは「真実の瞬間」。特別リングアナウンサーとしてシュガー・レイ・レナード。レフェリーはミルズ・レーン)。ジャブを打つダグラスだが、右ストレートが少ない。ホリフィールドは上体でリズムを取りながらダグラスの動きを読む。3R、ダグラスが不用意に出した右アッパーをかわして、ホリフィールドが右ストレート一撃。ダウンしたダグラスは立てず、KO。ホリフィールドがワンパンチでアッサリ新王者に。戦前は不利の予想もあったが楽勝。ダグラスはやっぱり体重が重かったか。その後、ダグラスは糖尿病で長いブランク。カムバックしたが、ルー・サバリーズに1RでKO負けでマイナー王座獲得ならず。モハメド・アリを破って世界王者になったレオン・スピンクスのようにダグラスはタイソンに勝って燃え尽きてしまったようだ。)

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