世界の名ボクサー:ナイジェル・ベン⑤「暗黒の破壊者」

世界ミドル、スーパーミドル級王者。二階級制覇に挑戦。マウロ・ガルバノ戦(初戦)、クリス・ユーバンク戦(再戦)、ジェラルド・マクラレン戦ほかを紹介します。

ナイジェル・ベン(イギリス)
身長177cm:オーソドックス(右構え)

①ナイジェル・ベン 4R TKO マウロ・ガルバノ
(WBC世界スーパーミドル級タイトル戦、1992年)
(感想:ベンが二階級制覇。クリス・ユーバンクにTKOされて以来、連勝のベンが二階級制覇に挑む。王者ガルバノはイタリアの選手。シュガー・レイ・レナードが返上した王座を決定戦で獲得。二度の防衛成功。ただ、国際的にはかなり無名の存在。イタリアで行われた試合。いつものように左右フックで攻めるベン。ガルバノは左ジャブとフットワークで距離を取ろうとする。ガルバノとしてはベンの強打を警戒して距離を取りながら後半に勝負するつもりだったのかも知れないが、その前にまぶたを負傷。3R終了でTKO。ベンがあっけなく二冠王に(3Rにベンが押されてロープ外に出てしまうハプニングはあったが)。ガルバノはボクシング雑誌に「知られざるチャンピオン」として「世界王者乱立の時代を象徴する存在」扱いされたこともあるが、「力強いジャブとバランスの良さ」を持ち、決して弱い選手ではなかった。後に両者は再戦する。)

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