世界の名ボクサー:フリオ・セサール・チャベス②「メヒコの英雄」

世界三階級制覇王者。J・ライト級王座防衛戦。ファウスチノ・バリオス戦、ロッキー・ロックリッジ戦、ファン・ラポルテ戦、トマス・ダ・クルス戦ほかを紹介します。

フリオ・セサール・チャベス(メキシコ)
身長171cm:オーソドックス(右構え)

①フリオ・セサール・チャベス 5R TKO ファウスチノ・バリオス
(WBC世界J・ライト級タイトル戦、1986年)
(感想:チャベスがタイトル防衛。これまで全勝のチャベスが四度目の防衛戦(プロ51戦目)。挑戦者バリオスはアルゼンチンの選手。勝ったり負けたり引き分けたり。アルゼンチン王座(J・ライト級)を獲得したことがあるが、初防衛に失敗。同王座を奪回して初防衛に成功し、この初めての世界挑戦。パリでの一戦(フランスのアカリエス兄弟によるプロモート。ヒルベルト・ローマンの初防衛戦とセットで行われた。しかし、観客は少な目。興行成績はどうだったのだろう?)。距離を取ってジャブ、連打のバリオス。そしてワンツー、左フック。パンチ自体はキレがあって良いが、下がりながらのパンチのため効果が薄め。距離を詰めるチャベス。ワンツーからの左ボディ打ち、右ストレートからの左ジャブ、左ボディ打ちからの左フックといったコンビネーション。強烈なボディ打ちで追い込まれていくバリオス。5Rに顔の負傷によりレフェリーストップ。チャベスがディフェンス&コンビネーションで勝利。バリオスは悪い選手ではなかったが、タフなチャベスをKOできるような戦いぶりではなかった。その後もバリオスは多くの試合。勝ったり負けたりだったが、南米王座(J・ライト級)、アルゼンチン王座(ライト級)、WBCインター王座(ライト級)を獲得。不安定ながら地域の実力者として活躍した。)

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