世界の名ボクサー:トーマス・ヒットマン・ハーンズ③「デトロイトの暗殺者」

80年代のスター。世界5階級制覇王者。全米王座、世界王座戦。アンヘル・エスパダ戦、ホセ・ピピノ・クエバス戦、ルイス・プリメラ戦、ランディ・シールズ戦ほかを紹介します。

トーマス・ハーンズ(アメリカ)
身長185cm:オーソドックス(右構え)

①トーマス・ハーンズ 4R TKO アンヘル・エスパダ
(全米ウェルター級王座決定戦、1980年)
(ダウンシーン)
3R:右フック、右ボディで2度、エスパダがダウン
4R:右ストレートでエスパダがダウン
(感想:これまで全勝のハーンズ。これが初の王座戦。エスパダはプエルトリコの選手で、元WBA世界ウェルター級王者。直前の試合では王座奪回を目指してピピノ・クエバスのWBA世界ウェルター級王座に挑戦してTKO負け。ハーンズ戦はその再起戦となる。デトロイト「ジョー・ルイス・アリーナ」での一戦。アフロヘアーのハーンズ(ちょっとオバチャンっぽい雰囲気も)。長いリーチでジャブ、ワンツー、左フックからの右ストレート、右ストレートからの左ボディ打ち。エスパダは相手の勢いに押されて何もできない。手がなかなか出ず、左フックは空振り、そしてクリンチ。3R、ハーンズが猛烈な連打。右フックでエスパダがダウン。立ったが、ボディで二度目。4Rには右ストレートでダウン。ここでエスパダのセコンドが棄権を申し入れて、試合終了。勝って大喜びのハーンズ&陣営。ただ、相手がビビりまくっていたため「勝負」という点ではもう一つ。ハーンズにはディフェンスに隙があるが、腰が引けたエスパダはその隙を突くことはできなかった。試合後、ハーンズにファンから「WBC王者シュガー・レイ・レナードと戦ってくれ」というリクエスト。結果的にそれは後に実現するが、その前にハーンズはWBA王者ホセ・ピピノ・クエバス(メキシコ)と対戦。エスパダは次の試合に勝利して引退。)

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