世界の名ボクサー:ヘクター・カマチョ⑥「スピードで勝負のマチョマン」

90年代も戦う人気者。新たな挑戦。フェリックス・トリニダード戦、フランコ・ディオリオ戦、ホーマー・キビンズ戦、ゲイリー・カークランド戦ほかを紹介します。

ヘクター・カマチョ(プエルトリコ)
身長169cm:サウスポー

①フェリックス・トリニダード 12R 判定 ヘクター・カマチョ
(IBF世界ウェルター級タイトル戦、1994年)
(感想:トリニダードがタイトル防衛。守りに入ったような試合ぶりと対戦相手選びでかつて全勝だったカマチョ。器用さに欠けるグレグ・ホーゲンにまさかの判定負け、初黒星。それで吹っ切れたのか、「チャレンジ指向」に。フリオ・セサール・チャベス(メキシコ)の WBC世界J・ウェルター級王座に挑戦して判定負け。そしてこのトリニダードへの挑戦。トリニダードもプエルトリコ。ボクシング界の新しいスターであり、なかなかの強打者。ベテランのモーリス・ブロッカーを粉砕してIBF王座獲得。カマチョ戦は三度目の防衛戦となる。ラスベガス「MGM Grand」で行われたプエルトリコ同士の新旧対決。サウスポーのカマチョは三階級王者。しかし、元々はJ・ライト級の選手で、それほどパンチのある方ではない。いつものようにサウスポーのテクニックを使うが、鋭いジャブ、左フックを持つトリニダードが勢い&パワーで優勢。その流れで12R終了。判定は3-0。勢い、パワーの差でトリニダードが勝利。しかし、カマチョもスピードのある動きで「存在感とスターらしさ」を見せた。その後のトリニダード。ウェルター級王座を連続防衛した後、J・ミドル、ミドルの世界王座も獲得し、三階級制覇。カマチョを遙かに超える活躍を見せた。)

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