世界の名ボクサー:ナジーム・ハメド⑤「柔軟な身体&強打の王子」

世界フェザー級王者。WBO王座防衛戦&統一戦。レミヒオ・モリナ戦、トム・ジョンソン戦、ビリー・ハーディ戦、ファン・カブレラ戦ほかを紹介します。

ナジーム・ハメド(イギリス)
身長164cm:サウスポー

①ナジーム・ハメド 2R TKO レミヒオ・モリナ
(WBO世界フェザー級タイトル戦、1996年)
(ダウンシーン)
2R:左ストレートでモリナがダウン
(感想:ハメドがタイトル防衛。これまで23戦全勝(21KO)の王者ハメド(22歳)が四度目の防衛戦(96年最後の試合、11月)。挑戦者モリナ(26歳)はアルゼンチンの選手。1992年のバルセロナ・オリンピックにバンタム級で出場(メダルは獲得ならず)。プロデビュー以来、27戦全勝(12KO)。ローカル王座を獲得しているが、海外試合はこれが初めて。しかも、ランキングは「WBO5位」ではあるが、J・フェザー級。英国マンチェスターでの一戦(レフェリーはロベルト・ラミレス)。共にサウスポー。速い右ジャブ、機敏な動き。ハメドが突き刺すような斜め下からの右ジャブ。モリナはオーソドックスにチェンジして右ストレートからの左ジャブといったテクニックを使うが、攻めるときのディフェンスに甘さ。2R、打たれるモリナ。鋭い右ジャブからの左ストレートでダウン。立ったが、さらに右ジャブを打たれて後退したところでレフェリーストップ。ハメドがパンチのキレで楽勝。特に「斜め下からの右ジャブ」が効果的だった。ディフェンスに難があったモリナ。その後、エリック・モラレスのWBC世界J・フェザー級王座に挑戦したが、TKO負け。WBAの地域王座戦(フェザー級)、ファン・マヌエル・マルケス戦、アルゼンチン王座戦(フェザー級)、WBF王座戦(スーパーフェザー級)に敗北。中堅どころでキャリアを終えた。)

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