世界の名ボクサー:ジュリアン・ジャクソン①「カリブ海の強打者 ”ザ・ホーク”」

世界J・ミドル、ミドル級王者。固い拳でKOの山。世界王者になる前の試合。ミゲル・セプルベダ戦、ドミニク・フォックス戦、ロン・ウォリアー戦ほかを紹介します。

ジュリアン・ジャクソン(アメリカ領ヴァージン諸島)
身長182cm:オーソドックス(右構え)

①ジュリアン・ジャクソン 3R TKO ミゲル・セプルベダ
(J・ミドル級8回戦、1982年)
(ダウンシーン)
2R:右ストレート、左フックで2度、セプルベダがダウン
3R:左フックでセプルベダがダウン
(感想:「ザ・ホーク(鷹)」と呼ばれたジャクソン。カリブ海バージン諸島出身。友人に誘われたのをキッカケにジム通いを始めた。アマチュアで少し経験を積んでプロ入り。プエルトリコやフロリダを主戦場にこれまで全勝。大物ドン・キングと契約して「出世の道」は約束されたようなもの。セプルベダ戦はプロ9戦目。セプルベダはプエルトリコの選手。「BOXREC」の記録ではまだ勝利がない状況。プエルトリコ・サンファンでの一戦。ブルーのトランクスにアフロヘアーのジャクソン。いかにも強そうなツラ構え。セプルベダもヒゲを生やして貫禄。スリムな体型のジャクソン。強打者ながら、足を使って距離を取る慎重姿勢。セプルベダは動きが少な目でジャブ、右ストレート、左フック。右パンチに自信があるようで、右ストレートに力を入れる。次第に強打を入れていくジャクソン。右ストレートに伸びがあり、左フックにはキレと正確さがある。2R、コーナーに追い込まれたセプルベダが右ストレートでダウン。立ったが、今度は、右ストレートからの左フックで二度目のダウン。ゴングに救われたセプルベダだが、3Rにまた捕まる。ロープ際で左フックを食ってダウン。立ったが、レフェリーストップ。ジャクソンが慎重にスタートして最後は豪快に勝利。正統派スタイルながら(力むことなく)ナチュラルに強打できるところがジャクソンの強味。一方、なかなかタフだったセプルベダ。ダウンはいずれも強烈なパンチによるもの。最後のストップも納得いかなかったようで「まだできる」とアピールしていた。その後のセプルベダ。勝ったり負けたりでキャリア終了。ラストファイトはアール・ハーグローブ(セプルベダ戦はIBF世界J・ミドル級王座決定戦に出場して初黒星を喫した再起戦)にKO負けだった。)

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