世界の名ボクサー:ボビー・チェズ②「貴重な白人重量級選手」

世界二階級制覇王者。連勝&初黒星。エリシャ・オベド戦、ロビー・シムス戦、ボビー・クーリッジ戦、クリス・リンソン戦、ムスタファ・ハムショ戦を紹介します。

ボビー・チェズ(アメリカ)
身長178cm:オーソドックス(右構え)

①ボビー・チェズ 6R 反則 エリシャ・オベド
(ミドル級戦、1981年)
(ダウンシーン)
2R:左カウンター、左フックで2度、オベドがダウン
3R:左フックでオベドがダウン
(感想:これまで15連勝(12KO)のチェズ(81年最後の試合、11月)。オベドはバハマ出身の黒人でベテラン(1967年デビュー)、84勝(58KO)12敗4分。本名は「エベレット・ファーガソン」、身長は180cm。子供の頃からボクサーに憧れ、アマチュアでは無敗だったという。プロ入りして連勝。注目を集め、アメリカ進出。パンチに磨きをかける。北米J・ミドル級王座獲得後、あのミゲル・デ・オリベイラ(輪島功一との二試合でおなじみ)からWBC世界J・ミドル級王座奪取。しかし、三度目の防衛戦で目を痛めて棄権、王座陥落。アユブ・カルレに敗北。奪回を目指してWBC王座に挑戦したが勝てず。ミドル級に転向したが、カーチス・パーカー、フリー・オベルらに敗北。直前の試合は判定負け。ピークを過ぎているようだが、どんな動きを見せるか? ニュージャージー州イーストラザフォードでの一戦(レフェリーはトニー・ペレス。チェズのセコンドに「暴れん坊」ルー・デュバ)。アップライトな姿勢からジャブを出すオベド。しかしながら、動きとパンチにキレがない。チェズがゴツいパワーで優勢。正確なジャブ、左フックからの右ストレート、右アッパー、左ボディ打ち。オベドは押されてクリンチ。2R、左カウンター、左フックでオベドが二度ダウン。3Rには左フックでダウン。その後も圧力に押されるオベド。右を食い、クリンチ連発。6R、レフェリーがチェズの手を上げて試合終了。「反則負け」に納得いかないオベドがレフェリーを突き飛ばしたが、デュバが間に入って治まった。チェズが身体全体のパワーで勝利。オベドは元世界王者らしくない試合ぶり。まるで「何もできない二線級」のような動きだった。その後、オベドは地元ナッソー(バハマ)を中心にリング活動。ラストファイトは1988年で、判定勝ちだった。)

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