世界の名ボクサー:ジョー・フレージャー⑤ラスト「人間蒸気機関車」

世界ヘビー級王者。最後の世界戦&復帰戦。ジェリー・クォーリー戦(再戦)、モハメド・アリ戦(三戦目)、ジョージ・フォアマン戦(再戦)、フロイド・カミングス戦ほかを紹介します。

ジョー・フレージャー(アメリカ)
身長182cm:オーソドックス(右構え)

①ジョー・フレージャー 5R TKO ジェリー・クォーリー
(ヘビー級戦、1974年)
(ダウンシーン)
4R:左ボディフックでクォーリーがダウン
(感想:モハメド・アリの北米王座に挑んで判定負けしたフレージャーが再起。クォーリーとは以前にも対戦し、フレージャーがTKO勝利(ニューヨーク州公認世界ヘビー級王座戦)。クォーリーは前回のフレージャー戦後、復帰してきたアリのカムバック第一戦の相手を務めてTKO負けしたり、アリの北米王座に挑んでTKO負けしたり。アリには勝てなかったが、ロン・ライル、アーニー・シェイバースといった強打者に勝利している。ニューヨーク「マジソン・スクエア・ガーデン」で行われた一戦。レフェリーはあのジョー・ルイス。フレージャーがいつものように接近してフック攻撃。クォーリーは足で距離を取ってワンツー、左フック。接近戦では互いにパワフルなフック。クォーリーがフレージャーに負けないほどパワーの乗った左ボディ打ちを見せる。4R、強烈な左フックを食ってクォーリーの動きが止まる。そして左ボディでクォーリーがダウン。この回はゴングに救われたが、5Rにもフレージャーが強打。ジャブ、左フックからの右ストレート。最後はクォーリーが左フックを浴びたところでレフェリーストップ。フレージャーが力強い勝利。世界王者時代の強さが戻ってきたかのようなパワーのある攻めだった。タフ男のクォーリーだが、4Rの左フックが完全に効いてしまった。その後のクォーリー。ケン・ノートンと空位の北米王座を争ってTKO負け。強い選手ではあったが、大きな王座は獲れず。引退後の1999年に死去(53歳)。現役時代のダメージが原因だったという。)

ここから先は

3,915字
この記事のみ ¥ 100
期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?