世界の名ボクサー:アレクシス・アルゲリョ⑥ラスト「ニカラグアの貴公子」

世界三階級王者。二度目の四階級制覇挑戦&その後。クロード・ノエル戦、アーロン・プライアー戦(再戦)、パット・ジェファーソン戦、ビル・コステロ戦ほかを紹介します。

アレクシス・アルゲリョ(ニカラグア)
身長178cm:オーソドックス(右構え)

①アレクシス・アルゲリョ 3R KO クロード・ノエル
(J・ウェルター級戦、1983年)
(ダウンシーン)
1R:左フックでノエルがダウン
(感想:プライアーにボロボロにされたアルゲリョ(77勝(62KO)5敗、31歳)の再起二戦目。再起戦はビロマー・フェルナンデスとの再戦で3-0の勝利。しかし、動きのキレに欠ける試合ぶり。この試合ではどうか? これまで29勝(17KO)5敗のノエル(34歳)はトリニダード・トバゴ出身の黒人で元WBA世界ライト級王者。王座陥落後はトリニダード・トバゴ王座、英連邦王座戦(いずれもライト級)で勝利。しかし、直前の試合ではハワード・デービス・ジュニア(1976年モントリオール・オリンピックではライト級で金メダル)に判定負けしている。アトランチックシティでの一戦(レフェリーはラリー・ハザード。会場ではアルゲリョの妻ロレトが観戦)。1R、スピードがあるノエル。ジャブ、左フック、そして右ストレート。アルゲリョはジャブ、定番の左フックからの右ストレート。そしてジャブからの左フックでノエルがダウン。その後、アルゲリョが右ボディアッパー、左のテクニック。動きのスピードはそこそこだが、当てるテクニックは健在。2R、ノエルの右フックがヒット。3R開始時にノエルに異変。そしてラウンド中に自ら棄権。映像ではよくわからなかったが、どうやら腰を痛めたらしい。1Rのダウンが原因と思われる。アルゲリョが拍子抜けの勝利。ノエルにスピードがあっただけにこの結末は残念(棄権するような負傷が無ければどんな結果になっていただろう? スピードでノエルが挽回していたかも)。アルゲリョの次の試合はWBA世界J・ウェルター級王者プライアーとの再戦。しかし、アルゲリョはWBAランキングに入っていない(結果的にこの問題は解決された。「WBA5位」として挑戦)。ノエルはその後も英連邦王座戦(ライト級)で勝利。しかし、レネ・アルレドンド、浜田剛史にTKO負けするなど連敗してキャリアを終えた。)

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