世界の名ボクサー:ナイジェル・ベン③「暗黒の破壊者」

世界ミドル、スーパーミドル級王者。再起、そしてWBO王座戦。ダグ・デウィット戦、アイラン・バークレー戦、クリス・ユーバンク戦(初戦)ほかを紹介します。

ナイジェル・ベン(イギリス)
身長177cm:オーソドックス(右構え)

①ナイジェル・ベン 1R KO ホセ・キニョネス
(スーパーミドル級戦、1989年)
(ダウンシーン)
1R:連打でキニョネスがロープダウン、右ストレートでダウン
(感想:ワトソン戦後、アメリカで武者修行することにしたベン。アメリカでの再起一戦目は判定勝ち。そしてこの二戦目。キニョネスはプエルトリコのベテラン選手。スンブ・カランベイにはTKO負けしたが、WBC米大陸王座(ミドル級)を獲得。タフな白人ダグ・デウィットにTKO勝ち。直前の試合ではスラニ・マリンガにTKO負けしている。ラスベガスでの一戦。共に鍛えた身体にヒゲで貫禄。黒のトランクスのベンはいかにも「ダーク・デストロイヤー」といった感じ。開始から接近戦。キニョネスがジャブ、ワンツー、左フック。「器用なテクニシャン」といったところか。しかし、パンチのキレはそれほどない。ベンはどこの国で戦っても同じ。ジャブ、右ストレート、左右フック、右アッパー。右フックが効いたキニョネス。連打を浴びてロープダウン。再開後、右ストレートを食って二度目。痛烈なダウンにレフェリー(リチャード・スティール)はすぐさま試合を止めた。ベンが圧勝。キニョネスに器用さがあったため長い試合になるかもと思ったが、右フックをキッカケに一気に仕留めた。チャンスを逃さないのがベンの良いところであり、エキサイティングなところ。キニョネスはピークを過ぎていたらしい。この後、二連敗で引退。)

②ナイジェル・ベン 10R 判定 サンダーライン・ウィリアムス
(スーパーミドル級戦、1990年)
(感想:ベンの90年初試合。プロ26戦目の相手は経験のある選手。ウィリアムスはオハイオ州の黒人。アマチュアで活躍後、プロへ。しかし、ミドル級は世界的に非常にレベルが高い階級。中堅どころには勝つが、リンデル・ホームズ、ヘロール・グラハム、アイラン・バークレー、フランク・テートに敗北。北米王座を懸けたロン・エセット、ドン・リー戦にも敗北。直前の試合ではメルキ・ソーサ(後、北米王者になったが、世界王座戦では敗北)に判定負け。アトランチックシティでの一戦。後ろ髪を伸ばして束ねているベン。いつものようにジャブ、ストレートにスピード&パワー。ウィリアムスは距離を取りながらジャブ。打撃戦は避けたいらしく、クリンチ。2R、左フックが効いたベン。ウィリアムスが猛烈な連打。接近戦になり、互いにフック、ボディ打ち。動きが機敏なウィリアムス。スウェーで相手のパンチをかわすテクニック。しかしながら、やや受け身。ベンがジャブで先手を取る。6R、ウィリアムスの右がヒット。最後まで一進一退で10R終了。判定は2-1。ベンが攻める姿勢で勝利。惜しかったウィリアムス。もっと積極さがあれば、といった結果(それが実力者たちに負けてきた原因と思われる)。その後もウィリアムスは実力者と対決。(再起戦で)レジー・ジョンソン(全米ミドル級王座戦)、ジェームス・トニー、ジェラルド・マクラレンらに敗北。ラストファイトは新鋭ジョー・リプシーに判定負け。ベン戦後は勝ち星が無かったが、KOされることはなかった。)

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