世界の名ボクサー:ドナルド・カリー①「シャープなパンチを持つコブラ」

80年代のスター。世界二階級制覇王者。デビュー当初の試合。リゴベルト・ロペス戦、ダニー・ファベラ戦、ジョー・モリエール戦、エディ・キャンベル戦、カーチス・ラムジー戦を紹介します。

ドナルド・カリー(アメリカ)
身長177cm:オーソドックス(右構え)

①ドナルド・カリー 2R TKO リゴベルト・ロペス
(J・ミドル級6回戦、1981年)
(感想:テキサス出身のカリー。その鋭いパンチからニックネームは「コブラ」。兄ブルースもボクサー(1983年5月にWBC世界J・ウェルター級王座獲得。日本のジムに所属したり、赤井英和を防衛戦でKOしたりするなど日本でも有名)。ブルースに誘われてボクサーに。アマチュアでの戦績が「404戦400勝4敗」(有名な数字。ただし、「負け数は4だが、試合数はもっと多い」と本人は語っている)。モスクワ・オリンピックの代表に選ばれたが、アメリカがオリンピックをボイコット。天才であるゆえか、「あまりボクシングは好きではない」と語るカリー(簡単に勝てるから逆に面白くないのだろう)。熱心なスカウトによりプロ入り。これまで三連勝。ロペス(アメリカ)はマイク・マッカラムに負けたことがある選手(データに乏しい)。ラスベガスでの一戦。足で距離を取って速いジャブを出すカリー。右ストレート、左フックを打って素早くまた相手から距離を取る。ロペスはワンツー、フック、右アッパーを使うが、力んだ打ち方で当たらない。2R、カリーの右ストレートがクリーンヒット。しかし、その後の右ボディがローブローに。試合中断、そして試合終了。何だかよくわからない終わり方。どうやら強い右を打たれたダメージでロペスのセコンドが棄権を申し入れた様子。最後はスッキリしなかったが、カリーが後に世界戦でも見せるシャープなジャブ、右ストレートで勝利。パワーもそこそこあり、デビュー当初のシュガー・レイ・レナードに似た戦いぶりだった。ロペスはカリーのスピードに付いていけず。その後もロペスは負けが多いキャリアだった。)

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