世界の名ボクサー:ジェフ・フェネック①「オーストラリアのケンカ屋」

世界三階級王者。豪打でIBF王者になったバンタム級時代。新垣諭戦(初戦・再戦)、ジョン・マティエンザ戦、ジョン・ファーレル戦、ジェローム・コフィー戦を紹介します。

ジェフ・フェネック(オーストラリア)
身長172cm:オーソドックス(右構え)

①ジェフ・フェネック 9R TKO 新垣諭
(IBF世界バンタム級タイトル戦、1985年)
(感想:フェネックがタイトル獲得。オーストラリア・シドニー出身のフェネック。子供の頃はケンカ屋(大人になっても?)。ストリートファイトは数え切れないほどだという。ボクシングを始めたのは18歳の時。アマチュアではロス五輪に出場(惜しくもメダル獲得ならず)。プロ転向。実力と軽量級の層の薄さもあって連勝(オーストラリア王座などの地域王座を獲得)。プロ七連勝でこの世界挑戦。新垣は「孤独な世界王者」(当時、IBFは日本では認可されていなかったため、「世界王者」として世間から扱われていなかった)。ドディ・ボーイ・ペニャロサ(フィリピン)と空位のIBF世界J・フライ級王座を争ったときは減量苦のためパワーを出せず、TKO負け。決定戦でIBF世界バンタム級王座獲得。初防衛に成功。フェネック戦は二度目の防衛戦。後に三冠王になるフェネックとの対戦は今となっては貴重な試合。シドニーでの一戦。サウスポーの新垣は右ジャブを使うが、パンチが軽い印象。フェネックはいかにも腕力がありそうな打ち方で、時にはそれを速射砲のように連打する。パワーでフェネック優勢。9R、新垣がロープ際で連打されたところでレフェリーが試合を止めた。パワーで決着。元々、新垣はフライ級の選手。この結果は当然か。両者は後、立場を入れ替えて再戦。)

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