世界の名ボクサー:モハメド・アリ④「ザ・グレーテスト」

世界ヘビー級王者。三年のブランクからの復帰。ジェリー・クォーリー戦(初戦)、オスカー・ボナベナ戦、ジョー・フレージャー戦(初戦)ほかを紹介します。

モハメド・アリ(アメリカ)
身長191cm:オーソドックス(右構え)

①モハメド・アリ 4R TKO ジェリー・クォーリー
(ヘビー級戦、1970年10月)
(感想:ベトナム戦争の兵役を拒否してブランクを作ってしまったアリが三年ぶりに復帰(プロ30戦目)。アリは白人社会から目の敵にされているため、「黒人の町」であるジョージア州アトランタで試合が行われることに。クォーリーはカリフォルニア出身の白人ファイター。ニックネームは「The Bellflower Bomber」(「Bellflower」はロサンゼルスにある町)。5歳でボクシングを始める。アマチュアの大会で優勝。プロ入り。ロサンゼルスでデビュー(勝利)。無敗を続けたがエディ・マッチェン(当時の実力者)に判定負け、初黒星。フロイド・パターソンと引き分け、再戦で勝利。ジミー・エリスと空位のWBA世界ヘビー級王座を争ったが、判定負け(1968年)。ジョー・フレージャーのニューヨーク州公認世界ヘビー級王座に挑戦したが、TKO負け(1969年)。ジョージ・シュバロにKO負け。その後、四連勝でこのアリ戦。左フックに強さがあるが、大きな試合を落としてきた過去。アリに勝って名を上げることができるかどうか? ボクシング界を超えた社会的な注目を集めた試合(なぜか15R制で行われた。アリは後に東京でマック・フォスターと戦うが、その時もノンタイトル戦にもかかわらず15R制だった)。軽快なフットワークからキレのあるジャブ、ストレートを飛ばすアリ。クォーリーは左フック、右ストレートを出すが、当たらない。3R終了でクォーリーがキズにより棄権、試合終了。スピードがあったアリ。パワーもあった。しかしながら、2Rでスピードが落ちるなどブランクの影響も。試合後、アリ「クォーリーは素早かった」、クォーリー「普通の試合と同じように戦った」とコメント。しかし、クォーリーはどうやらアウトボクサーが苦手の様子。フレージャーのように「同じように打ち合ってくれる相手」でないといい試合にならないようだ。後に北米王座を懸けてアリと再戦。)

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