世界の名ボクサー:ヘクター・カマチョ②「スピードで勝負のマチョマン」

80年代を中心に活躍した人気者。世界初挑戦&防衛戦。ジョン・モンテス戦、ラファエル・リモン戦、ラファエル・ソリス戦、ラファエル・ウィリアムズ戦ほかを紹介します。

ヘクター・カマチョ(プエルトリコ)
身長169cm:サウスポー

①ヘクター・カマチョ 1R KO ジョン・モンテス
(ライト級戦、1983年)
(ダウンシーン)
1R:左フックでモンテスがダウン
(感想:これまで全勝のカマチョ。WBCのJ・ライト級4位。プロ20戦目。モンテスはカリフォルニア出身。デビューから連勝だったが、直前の試合では元WBA世界ライト級王者ヒルマー・ケンティに判定負け、初黒星。これまで22勝(17KO)1敗でWBCライト級7位。共に世界王座に近い存在であり、負けられないところ。アラスカ州アンカレジでの一戦(リングサイドでカマチョの母が観戦。息子の試合を熱く応援する姿はおなじみの光景)。カマチョがいつものように距離を取って右ジャブ。モンテスはガードを上げて右ストレート、振りが大きめの左フック。カマチョが一瞬の隙を突いて左フック。倒れたモンテスは10カウント内に立てず、KO。勝ったカマチョ&母親は大喜び。カマチョが電光石火の見事なKO勝利、と言いたいところであるが、異議アリ。またしてもカマチョは相手の首を右手で押さえて攻撃。フィニッシュとなった左フックを打つ前にしっかりと右手で相手の動きを止めていた。モンテスは残念。相手の微妙な反則にしてやられた形。この惨敗は彼の「真の実力」ではない。その後のモンテス。連勝したが、コーネリアス・ボサ・エドワース、パーネル・ウィテカー相手に二連敗。そしてまた連勝し、WBC米大陸王座、カリフォルニア王座(いずれもJ・ライト級)を獲得。フレディ・ペンドルトンにKO勝利、サミー・フエンテスにKO負け。ブランク後、カムバックしたが、ポール・ベイデンに判定負けしてそれがラストファイトに。トップクラスには苦戦したが、通算戦績は44勝(31KO)6敗となかなか見事なものだった。)

ここから先は

2,958字
この記事のみ ¥ 100

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?