世界の名ボクサー:レイ・マンシーニ②「ボクシングの歴史を変えた男」

WBA世界ライト級王者。ボクシング史に大きな影響を与えた世界王座防衛戦。エルネスト・エスパニャ戦、金得九戦、オルランド・ロメロ戦、ボビー・チャコン戦を紹介します。

レイ・マンシーニ(アメリカ)
身長164cm:オーソドックス(右構え)

①レイ・マンシーニ 6R TKO エルネスト・エスパニャ
(WBA世界ライト級タイトル戦、1982年11月13日)
(感想:マンシーニがタイトル初防衛。アルツロ・フライアスをわずか1Rで仕留めて新WBA王者になったマンシーニ。初防衛戦の相手は元王者。挑戦者エスパニャ(27歳)はベネズエラ出身(弟クリサントは後にWBA世界ウェルター級王座を獲得)で、これまで36勝(30KO)4敗。クロード・ノエルとの王座決定戦で勝利してWBA王座を獲得。二度目の防衛戦でヒルマー・ケンティにTKO負け、王座陥落。リターンマッチもTKO負けで王座奪回ならず。その後、連勝して新王者フライアスに挑戦したが、勝てず。その再起戦でマンシーニに挑戦(なぜそんなに挑戦のチャンスが得られるのか?)。オハイオ州ウォレンでの一戦(屋外リングで大観衆。以前、ウォレンの音楽ホールで試合したときとは大違い。レフェリーはスタンリー・クリストドーロー)。身長で上回るエスパニャが距離を取ってジャブ、右ストレート、しゃくるような左フック(なかなか良い打ち方。何度も世界挑戦のチャンスを与えられるのも納得の巧さ)。しかしながら、パンチを当てるのはマンシーニの方。いつものように前進し、正確なジャブ、右ストレート、左ボディ打ち。思い切った攻めをするマンシーニ、応戦するエスパニャ。マンシーニの左フックがよく当たる。6R、打たれるエスパニャ。攻められて後退したところでセコンドがタオル投入、試合終了。マンシーニが若さあふれるラッシングパワーで勝利。自信に満ちた攻撃だけではなく、ダッキングなどのディフェンスもできていた印象。エスパニャは左のテクニックで勝負しようとしていたが、勢いに押されまくってしまった。そして、これで引退。1985年にカムバック。WBCの地域王座を獲得したが、二連敗で引退した。)

ここから先は

2,312字
この記事のみ ¥ 100

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?