世界の名ボクサー:アレクシス・アルゲリョ③「ニカラグアの貴公子」

世界三階級王者。実力者とのJ・ライト級王座防衛戦。アルツロ・レオン戦、アルフレド・エスカレラ戦(再戦)、ラファエル・リモン戦、ボビー・チャコン戦ほかを紹介します。

アレクシス・アルゲリョ(ニカラグア)
身長178cm:オーソドックス(右構え)

①アレクシス・アルゲリョ 15R 判定 アルツロ・レオン
(WBC世界J・ライト級タイトル戦、1978年)
(ダウンシーン)
6R:左フックでレオンがダウン
(感想:アルゲリョがタイトル防衛。三度目の防衛戦。前回の試合(ノンタイトル戦)でビロマー・フェルナンデスにまさかの判定負けを喫したアルゲリョ。相手の反撃を許してしまったのが敗因。その再起戦となるこの試合ではどんな動きを見せるか? 挑戦者レオンはアリゾナ州の選手。ランディ・シールズに判定負けするなど勝ったり負けたり連敗したりの二線級。このところ四連勝中。どうやらボビー・チャコンに勝利したのが評価されて、この世界挑戦のチャンスをつかんだようだ。ラスベガス「シーザース・パレス」での一戦(ドン・キングの興行。メインは「ラリー・ホームズ vs. アルフレド・エバンヘリスタ」のWBC世界ヘビー級王座戦。リングアナはチャック・ハル)。前に出るアルゲリョ。得意の左フックからの右ストレート。右ストレートに伸びとパワー。レオンは器用なタイプではない。ブロックしながら受け身の姿勢で右ストレート、左フックで打ち返す。6R、タイミングの良いキレイな左フックでレオンがダウン。仕留めにかかるアルゲリョだが、レオンは連打でしぶとく反撃。その後もジャブでアルゲリョが先手。レオンは反撃するが、自分から試合の流れを作るような攻撃ではない。15R終了。判定は3-0。アルゲリョが攻めの姿勢で勝利。ただ、パンチをもらったこと、激しさに欠けた、という点で物足りない内容となった。レオンはタフだったが、そこまで。その後もレオンは負けが多いキャリア。しかし、負けたがヒルマー・ケンティ、ショーン・オグラディ(全米ライト級王座戦)、ローランド・ナバレッテ、コーネリアス・ボサ・エドワーズ、ロジャー・メイウェザーといった実力派と対戦。チャコンとの再戦に敗れたが、ダウンを奪ったらしい。)

ここから先は

3,330字
この記事のみ ¥ 100

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?