世界の名ボクサー:ケン・ノートン①「アリのアゴを割った海兵隊員」

WBC世界ヘビー級王者。大物相手に番狂わせ&初の世界王座挑戦。ヘンリー・クラーク戦、モハメド・アリ戦(初戦・再戦)、ジョージ・フォアマン戦を紹介します。

ケン・ノートン(アメリカ)
身長191cm:オーソドックス(右構え)

①ケン・ノートン 9R KO ヘンリー・クラーク
(ヘビー級戦、1972年)
(感想:熱かった70年代のヘビー級の一人、ノートン。あのモハメド・アリを追い込んだかと思ったら、強打者に惨敗を喫したり。様々な経歴やイメージからニックネームは「The Black Hercules」「The Jaw Breaker」「The Fighting Marine」と複数。イリノイ州ジャクソンビル出身。1943年8月9日生まれ、本名は「ケネス・ハワード・ノートン」。スポーツ万能で、高校、大学では陸上、フットボールで活躍(活躍しすぎて「ケン・ノートン・ルール」(陸上選手の出場種目数を制限するもの)なるものが導入されたほど)。フットボールで負傷後、海兵隊に入隊し、ボクシングを始める。アマチュアではタイトルも獲得し、プロ入り(「ボクサーになっていなかったら教師か警官になるつもりだった」そうだ)。ジョー・フレージャーのスパーリング・パートナーを務めながら、1967年にプロデビュー。連戦連勝。17戦目でホセ・ルイス・ガルシア(ベネズエラ)にKOされて初黒星。そのショックで催眠術師の元へ通うようになり、精神的な充実を得られる本を読むようになった。そのおかげ(?)で連勝。クラーク戦はプロ29戦目。クラークはルイジアナ出身の黒人。カリフォルニア王座を獲得、防衛してきた実績。ゾラ・フォーリー、ソニー・リストンに敗北、エディ・マッチェンに勝利。直前の試合ではカリフォルニア王座戦で判定負けしている。ネバダ州での一戦。ハイライトで観戦。共に左のガードを下げた構えから左ジャブ、そして左フックを振るう。前傾姿勢で攻める姿勢のノートン。クラークは受け身の姿勢ではあるが、左ボディを意表を突くかのように打っていく。9Rで決着。どんな倒し方だったのかは映像ではわからなかったが、ノートンが攻め続けて押し切ったのではないか? その後、クラークは連勝したがアーニー・シェイバースに二連敗。地域の実力者にとどまった。)

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