世界の名ボクサー:ナジーム・ハメド⑥「柔軟な身体&強打の王子」

世界フェザー級王者。日本でもなじみの選手とWBO王座防衛戦。ケビン・ケリー戦、ウィルフレド・バスケス戦、ウェイン・マッカラー戦、ポール・イングル戦を紹介します。

ナジーム・ハメド(イギリス)
身長164cm:サウスポー

①ナジーム・ハメド 4R KO ケビン・ケリー
(WBO世界フェザー級タイトル戦、1997年)
(ダウンシーン)
1R:右フックでハメドがダウン
2R:左フックでハメドがダウン、右フックでケリーがダウン
4R:左ストレートでケリーがダウン、右フックでハメドがダウン、左フックでケリーがダウン
(感想:ハメドがタイトル防衛。これまで全勝のハメドが初めてのアメリカのリングで9度目の防衛戦(プロ29戦目。97年最後の試合、12月)。相手はベテラン。WBO3位の挑戦者ケリーはニューヨーク・ブルックリン出身の黒人サウスポーで元WBC王者。15歳でボクシングを始め、アマチュアで優秀な成績だったことからプロデビュー当初から注目されてきた。全勝のままグレゴリオ・ゴーヨ・バルガスを判定で下してWBC王座獲得(1993年)。しかし、左のコブシを骨折したことがあり、決して万全ではない。WBC王座陥落後はマイナー団体WBUのフェザー級王座獲得、連続防衛。これまで47勝(32KO)1敗2分。ニューヨーク「マジソン・スクエア・ガーデン」での一戦。トップロープを前転してリングインのハメド。そのままケリーと至近距離でニラみ合い。1R、互いにサウスポースタイルで右ジャブ、左ストレート、ディフェンス。右フックでハメドがダウン。2R、スイッチしながら隙を狙うハメドだが、左フックでダウン。しかし、今度は逆に右フックでケリーがダウン。その後、ケリーが正確なジャブで優勢。4R、攻めるケリー。しかし、左フックからの左ストレートでダウン。右フックでハメドがダウン。しかし最後は左フックでケリーがダウンしてカウントアウト。ダウン応酬だった試合。振りが大きめのパンチでの打ち合い。共にディフェンスに隙がある大味な試合となったが、ケリーには打たれ弱さがあった。その後、ケリーはデリク・ゲイナーに雪辱されたり、エリック・モラレスとのWBC暫定王座戦に敗れたり。NABA王座(スーパーフェザー級)を獲得したが、勝ったり負けたりで世界王座に返り咲くことはなかった。)

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