世界の名ボクサー:ウィルフレド・ベニテス②「史上最年少の世界王者」

世界三階級制覇王者。二階級制覇を目指す戦い。ホセ・ゲレロ・チャベス戦、ブルース・カリー戦(初戦・再戦)、ランディ・シールズ戦、カルロス・パロミノ戦を紹介します。

ウィルフレド・ベニテス(プエルトリコ)
身長178cm:オーソドックス(右構え)

①ウィルフレド・ベニテス 15R TKO ホセ・ゲレロ・チャベス
(ニューヨーク州公認世界J・ウェルター級王座決定戦、1977年)
(ダウンシーン)
15R:右ストレートでチャベスがダウン
(感想:ベニテスがタイトル獲得。プエルトリコの天才、ベニテス。WBA世界J・ウェルター級王座を剥奪されてしまったが、未だ無敗。プロ33戦目。経緯は不明だが、急遽復活した王座の決定戦に出場。チャベスはベネズエラ出身。ベネズエラでデビュー後、カナダでも試合。カナダ王座(ウェルター級)獲得。しかし、アントニオ・セルバンテスらを相手に三連敗したことも。このところカナダ王座戦で勝利するなど連勝中。ニューヨーク「マジソン・スクエア・ガーデン」での一戦(レフェリーはアーサー・マーカンテ)。共に前傾姿勢で左のガードを下げた構えからジャブ。ベニテスがテンポ良く、ジャブ、ワンツー、左フック、コンビネーション(左フックからの右ストレート、ほか)。チャベスはディフェンシブ。ジャブは少な目だが、意表を突くかのように大きな左フックを振るう。右フックにもパワーを込めるためベニテスとしては油断ならない。接近戦。正確なフック、右アッパー、ディフェンスでベニテス。7R、ベニテスがサウスポーにスイッチして右ジャブ。チャベスのパンチはたまにヒットするが、単発。12R、ベニテスがワンツー、回転の速い連打で優勢。15R、左フックを食って後退するチャベス。連打からの右ストレートでダウン。立ち上がり、レフェリーは再開を指示したがダメージ深くレフェリーストップ。ベニテスがディフェンス、正確な攻撃で勝利。チャベスは良いフックを持っていたが、終始受け身の姿勢。TKOで終わったが、判定決着だったとしても勝てない試合ぶりだった。その後、チャベスはカナダ王座戦に敗北するなど勝ったり負けたり。ローカルな活躍にとどまった。)

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