世界の名ボクサー:ヘクター・カマチョ①「スピードで勝負のマチョマン」

80年代を中心に活躍したプエルトリコの人気者。世界王者になる前の試合。マルシアル・サンティアゴ戦、レフヒオ・ロハス戦、ジョニー・サト戦、メルビン・ポール戦ほかを紹介します。

ヘクター・カマチョ(プエルトリコ)
身長169cm:サウスポー

①ヘクター・カマチョ 8R 判定 マルシアル・サンティアゴ
(J・ライト級戦、1981年)
(感想:個性的なコスチュームや髪型で人気だったカマチョ。プエルトリコ生まれでニューヨーク育ち。13歳でボクシングを始め、アマチュアで数々のタイトル獲得。しかしながら、少年の頃から犯罪に関与(少年刑務所に入れられたこともある)。16歳のときに息子ヘクター・カマチョ・ジュニア誕生。18歳でプロ入り。スピード&テクニックで連戦連勝。試合がTV中継され、人気者に。空手の黒帯を取得したことがあるという話も(いつのことかは不明)。ニックネームは「Macho(「男」を意味するそうだ)」。サンティアゴ戦はプロ8戦目。サンティアゴはプエルトリカン。この選手もニューヨークが本拠地。アマチュアで活躍後、プロへ。ただ、プロでは活躍できず。レオ・ランドルフ、デリク・ホームズ、マイク・アヤラ、ロッキー・ロックリッジらに連敗(「かませ犬」のようなポジション)。直前の試合ではバーバード・テーラーにTKO負け。ニューヨーク「マジソン・スクエア・ガーデン」での一戦。この頃は普通の白いトランクスのカマチョ。髪型も普通。サウスポースタイルから右ジャブ、左ストレート、そして早送りのように回転の速い左右連打。サンティアゴはジャブは少な目で、右ストレート、接近して左右連打。互いにディフェンス。右フックからの左ストレートといったコンビネーションなどで手数が多いカマチョだが、相手をグラつかせるシーンが無いまま8R終了。判定は3-0。手数で勝利したカマチョ。動きが速く、ハンドスピードもあったが倒せず。サンティアゴはジャブが少なく、やや狙いすぎの打ち方だったため攻撃をかわされてしまった。この試合でサンティアゴは引退。後、カムバックしたが、中堅どころでキャリアを終えた。)

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