世界の名ボクサー:シュガー・レイ・ロビンソン⑥「史上最強の拳聖」

世界ウェルター級、ミドル級王者。最後の世界戦。ポール・ペンダー戦(再戦)、ジーン・フルマー戦(三戦目・四戦目)、デニー・モイヤー戦(初戦・再戦)ほかを紹介します。

シュガー・レイ・ロビンソン(アメリカ)
身長180cm:オーソドックス(右構え)

①ポール・ペンダー 15R 判定 シュガー・レイ・ロビンソン
(ニューヨーク州公認世界ミドル級タイトル戦、1960年6月)
(感想:ペンダーがタイトル初防衛。ペンダーに王座を奪われたロビンソン。再起戦は1RでKO勝ち。そして、ペンダーに挑戦。再戦に強いロビンソン。王座奪回が予想されている状況。ペンダーは二試合連続でロビンソンが相手。足の負傷で試合が延期になったりするなどのトラブルの末、ようやくリングへ。試合地は初戦と同じマサチューセッツ州ボストン。互いにジャブ。ロビンソンがワンツー、左フック。ペンダーも左フックを出すが、打ち方がぎこちない。接近戦では互いにクリンチ。15R終了。判定はまたしても2-1。ロビンソン王座奪回ならず。生涯初の「返り討ち」に遭った。ボクサーとしてはロビンソンの方がキレイなボクシングで良かったが、パワーが足りなかったか。ペンダーはこれで「ロビンソンを二度破った初めての男」に。その後、ペンダーはNBA王者フルマーとの統一戦やアーチー・ムーアのライトヘビー級王座挑戦計画が浮上したが、防衛戦を継続。カーメン・バシリオらを相手に三度防衛。四度目で王座を奪われたが、奪回して引退。引退後は警備員、刑務所勤務。大学に戻り、学位を取得。地元ボストンの政界入り。消防士としても勤務。意外なことにボクシングを嫌い、それを公言していた。その理由は「ボクシング界はギャングや詐欺師が多すぎる。浄化されるまで禁止すべきだ」というもの。ボクシングを嫌っていたのではなく、「公正さに欠ける」ことが許せなかったのだろう。)

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